この日本人は、旧日本軍によってつくられた済州市翰京面の「カマオルム洞窟陣地」(国家登録文化財第308号)などがある同博物館の敷地4万2000平方メートルと建物、資料などを買い取り、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産へ登録することを目指しているとされる。
覚書には、同博物館は要請があった場合、カマオルム洞窟陣地などのユネスコ世界文化遺産登録について積極的に協力しなければならないとの内容が盛り込まれている。
同博物館のイ・ヨングン館長は「カマオルム洞窟陣地を日本の文化財として世界文化遺産に登録するため博物館を買い取るようだ」と説明した。ただ、日本側に売却されることで「旧日本軍に不利な資料が隠蔽(いんぺい)されたり、有利な資料が日本の軍国主義の優越性を示すために利用される」と懸念を示した。
売却額は最大20億円程度とみられる。日本人の身分は本契約まで明かされないという。今後、売却額の算定など具体的な契約交渉に入る。
今年3月、同博物館が資金難により日本側と交渉を進めている事実が明らかになった後、イ館長は韓国文化財庁が購入に乗り出すことを期待していたが「特別な措置が取られることはなかった」と述べた。
同博物館は2004年にイ館長が私費を投じて開設した。国家記録院登録の280冊の資料や遺物などを展示・保管している。
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