韓国を訪問した龍田さん=(聯合ニュース)
韓国を訪問した龍田さん=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「歴史を専攻した大学時代から日韓の過去の歴史を研究したいと思っていました。退職してからようやく余裕ができ、強制動員の被害者に会いに韓国に来たんです」――。
 龍田光司(71)さんは1964年から2000年まで、福島県の高校で歴史教師をしていた。退職後、日本の植民地時代の朝鮮人強制動員を調べる活動に取り組んでいる。今回は福島・常磐の炭田に強制動員され、働かされた被害者と遺族から話しを聞くため、韓国を訪れた。強制動員の実状を日本に伝えるのが目標だという。

 龍田さんは早稲田大学で中国史を専攻した当時、教授から「日本の近代史を知るためには朝鮮の歴史を勉強しなければならない」と言われ、両国の過去の歴史問題に関心を持つようになった。教師時代は時間がなく、退職後から本格的に強制動員問題について調べている。
 龍田さんが取りかかっているのは50年近く住んでいる福島県であった強制動員。日本政府の統計を調査したところ、1939年から1945年まで朝鮮人約2万人が強制動員されたとみている。
 龍田さんによると、当時の労働者名簿はほとんどが消却され、一部の資料だけが残っている。被害者や遺族から話を聞かないと当時の状況が分からないため、今月末まで韓国に滞在し、被害者らに会う予定という。
 龍田さんは強制動員問題を研究するため、韓国語も習った。NHKラジオの韓国語講座をはじめ、韓国延世大学語学堂で学んだ。
 龍田さんは強制動員に関する正確な事実を日本に伝え、両国の市民社会が良好な関係を築き上げることを望んでいる。「機会があれば、被害者と遺族を福島に招待したい」と話した。

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