K.Will
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「冷静に考えると、いまバラード歌手はニッチであり、孤軍奮闘中と言えるでしょう」

K.Will の最新ニュースまとめ

 アイドル歌手でなければ、ジャンル関係なくK.Willの言葉に共感する歌手がきっと多いことだろう。

 K.Willは先ごろ発表した、3rd Part1のタイトル曲「どうかやめてくれ」で各種音源チャート1位を席巻中だ。また、Mnetの音楽番組「エムカウントダウン」で2週連続の1位、KM音源チャート番組「ミュージックトライアングル」でも1位に輝いている。アイドルグループが”年中無休”で新譜を発表し、Mnet「スーパースターK4」などオーディション番組の出演者らの音源がリリースされるタイミングである点を考えると、すばらしい成績といえる。
 
 先ごろ、乙支路(ウルジロ)でインタビューに応じたK.Willは「音楽の流れは変わっていくものだから、バラードの流れが戻ってくるまで孤軍奮闘しながら生き残る、というのが目標ではありません」とし、「歌謡界で、ひとつの軸を担うという欲と責任感があります」と強調した。

 彼は数年間、バラード歌手の成長が鈍化した音楽市場で知名度を上げた歌手だ。「涙がぽろぽろ」、「恋しくて、恋しくて、恋しい」、「君が必要」、「LOVE119」、「胸がときめく」など曲を発表するたびにヒットを飛ばしてきた。

 ただ運が良かった、というわけではない。K.Willは、ニューアルバムを発表するごとに「悩みは尽きなかった」と話す。バラードというジャンルの特性上、変化を与えても目立つことが難しい上に、ややもすると変化の幅が大きい場合には、大衆が拒否反応を示すからだ。聴き慣れたものでありながら、フレッシュでなけれならない、その”間隔”を調節することは難しい。

 「大衆は、”K.Willらしいバラード”というと起承転結が明確な曲構成に弦楽器の演奏を加味したスケールの大きいサウンドを真っ先に思い浮かべるでしょう。カラーを決めてしまうと、その色に沿って長く歌うことはできるとしても、僕の音楽に飽きてしまう可能性がありますよね。飽きられたら終わりですからね」

 K.Willは、アルバムを発表するごとに大衆と接点を見つけることができる変化を念頭に置いてきた。「涙がぽろぽろ」と「恋しくて、恋しくて、恋しい」で悲しい感性の最大値を引き出し、「LOVE119」ではラップを加え、「胸がときめく」ではミディアムテンポの曲で発動的なイメージを強調し、ダンスにも挑戦した。

 彼は「『LOVE119』と『胸がときめく』は、あまりに軽い曲ではないだろうか、と思いプレッシャーを感じました」とし、「この曲でうまく行かなかったら、僕の人生はどうなってしまうのだろう、僕はどこへ向かうのだろうか…と悩んだのですが、2曲とも結果がとても良かったんです。『胸がときめく』ではSBS『人気歌謡』で1位もいただきました。僕にとっては奇跡の曲になりましたね」と笑顔を見せた。

 幼い頃からR&Bとヒップホップなど、ブラックミュージックが好きだったというK.Willは「高校時代に初めて作詞をしましたが、それはラップメーキングでした。追求する音楽のためにヒップホッププロデューサーのプライマリーと作業しましたが、とても楽しい経験でした」と語った。

 彼の言葉のように、K.Willのアルバムにはブラックミュージック特有のリズムとグループが収められている。ラップメーキングを行ったタイトル曲「どうかやめてくれ」は、ヒップホップリズムに復古的なフォークギターサウンドがマッチしている。しかし、淡々と始まりサビで感情を爆発させるというK.Will独特の歌唱法を通して、彼の音楽が与える”慣れ”を大切にしている。

 プライマリーが制作した2曲では、企画意図が目立っている。「出て行ったら苦労する」と「幻想の中の君」は肩を揺らすビートが生きている。K.Willは「この2曲は、良い意味で音色が少しいい加減でなければならないのに、僕の声があまりにも真剣すぎて…。実際に、コンサートでは明るい曲をたくさん歌っていたため自信があったのに、2曲のレコーディングは簡単ではありませんでした。プライマリーは、自分の曲をこんなに真剣な声で歌われるのは初めてで、むしろ新鮮だったと言っていました」とレコーディング時を振り返った。

 K.Willは、前回のアルバムに続いて今回も自作曲を1曲収録。アップルが制作した音楽演奏アプリケーション「ガレージバンド」を利用して制作した「Bluffing」だ。

 「シンガーソングライターにならなければ、という脅迫観念はありません」とし、「僕自身が曲を書けば、誰よりもよく表現できると思っていましたが、レコーディングする時に自分からリードしなければならず、むしろ難しかった。他の作曲家が作ってくれた曲に対し、僕の考えを元に調整していく過程が僕はさらに楽しく感じます」と語るK.Will。

 彼は、これらの曲を来る12月24日~25日、梨花女子大学の大講堂で開かれるクリスマス公演で披露する予定だ。ことし、初の全国ツアーを成功裏に終え、公演業界でも”チケットパワー”を見せつけている。

 「いまは、僕の音楽とK.Willという歌手に対して信頼を積み重ねている過程」と話したK.Willは「いつか米国ツアーができるくらい図体が大きくなるかもしれませんが、まだ道のりは長いです」と謙遜。その一方で「K.Willと言ったらすぐに思い浮かぶような国民歌謡を歌っていくことが目標です」と今後の夢を語った。

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