韓国映画「悪いやつら」のキャスト、公開日、あらすじ
完成した予告編の冒頭は、「10億ウォンの価値がある」と自慢げに“黒革の手帖”を見せびらかすチェ・ミンシクの悪～い顔からはじまる。日本で“黒革の手帖”といえば、米倉涼子扮する銀座のママが野望を実現していくドラマだが、本作の“黒革の手帖”の持ち主は、チェ・ミンシク演じる賄賂でクビになった元公務員チェ・イクヒョン。本作は、公務員だった男が、コネと血縁、狡猾な交際術と神がかり的なロビイスト能力を使って、裏社会で欲望のままにのし上がって行くというユニークな人間ドラマであり、かつめっぽう面白いギャングスター映画なのだ。
名優チェ・ミンシクに一歩も引かない存在感を見せたハ•ジョンウが演じるのは、対照的に、拳では右に出る者はいない裏社会の若きカリスマ・ボスのチェ・ヒョンベ。二人は結束してプサンを掌握するが、1990年にノ・テウ大統領によって宣言された“犯罪との戦争”によって、組織暴力団の一斉摘発がはじまると、その関係に大きな亀裂が生じていく。“黒革の手帖”も裏社会の金と力も通用しなくなったこの時から、生き残りに命をかける壮絶な人間ドラマがはじまるのだ。
堅気でもヤクザでもない“パンダル”と呼ばれるハンパ者、どちらからもクズと呼ばれる男を演じるチェ・ミンシクの名演と、冷酷ながら一本気なカリスマ・ボスを演じるハ・ジョンウの男っぷり。二人のキャラクターの対比が何と言っても一番の魅力だが、実際にあった1990年のノ・テウ大統領による“犯罪との戦争”宣言を題材にした本作なだけに、予告編では、その実際の大統領の宣言映像も登場し、当時の時代背景や雰囲気も見事に伝わってくる。
映画の根底にある人間ドラマの面白さがたっぷりと詰め込まれ、本編に用意されている鳥肌もののラストへと向かって、一気にボルテージを上げていく今回の予告編。その最後には、「スコセッシが見たら、どんなに喜ぶことだろう！」というアメリカのタイム紙のレビューが使われているが、偉大ではないギャング達の人間くささを描ききった弱冠33歳のユン・ジョンビン監督の手腕にもいっそうの期待が高まる内容となっている。
「悪いやつら」は8月31日（土）からシネマート新宿、9月14日（土）からシネマート心斎橋にて公開。以降、全国順次公開される。
日本版予告編:
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