ソウル中央地検が家宅捜索に踏み切った時空社=16日、ソウル(聯合ニュース)
ソウル中央地検が家宅捜索に踏み切った時空社=16日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】ソウル中央地検は16日午前、巨額の追徴金を滞納している全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の財産差し押さえを執行した。また、長男が設立した出版会社「時空社」など約10か所の家宅捜索に入った。
 ソウル中央地検は同日午前、捜査官80~90人を全元大統領の自宅や時空社などに送り、会計資料などを確保している。家宅捜索の対象は時空社の本社や京畿道・漣川にある韓国最大のハブ農場「ハブビレッジ」など。時空社はペーパーカンパニーを立ち上げ秘密資金を隠した疑いがもたれている全元大統領の長男、全宰国(チョン・ジェグク)氏が1990年に設立した会社。ハブビレッジも同氏が所有している。
 全宰国氏は2004年、タックスヘイブン(租税回避地)として知られる英領バージン諸島にペーパーカンパニーを設立したことが明らかになっている。当時は弟の全在庸(チョン・ジェヨン)氏が秘密資金を運営していたことが分かり、全元大統領の秘密資金問題が浮上していたため、秘密資金がペーパーカンパニーに流れた可能性がある。全在庸氏に対する捜査では、全元大統領の秘密資金のうち、73億ウォン(約7億円)が流れ込んだことが確認された。
 全元大統領は追徴金が確定した後、長男らの名義で不動産を買い集めた疑惑もある。
 検察は5月末、全元大統領の財産没収に向けた特別チームを設け、没収対象の財産を追跡してきた。
 全元大統領は1995年、収賄や反乱などの罪で逮捕され、1997年に無期懲役と2205億ウォンの追徴金が確定した。だが、17年間に支払った金額は追徴金の24%にあたる533億ウォンにすぎない。
 検察は2003年、全元大統領の財産の公開を求める命令を裁判所から受け、全氏自宅の離れなどを仮差し押さえし、処分したこともあった。当時、全元大統領は裁判所で「預金通帳に29万ウォンしかない」と主張し、激しい非難を受けた。

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