ソン・ガンホ=(聯合ニュース)
ソン・ガンホ=(聯合ニュース)
「ポン・ジュノ監督との縁は運命的だと思います。彼は最も親しい映画の同志で、そんな同志とまた一緒に作品を撮れたということが、『雪国列車』(原題)がわたしに残した一番大きな意味です」――。

ソン・ガンホ の最新ニュースまとめ

 ポン監督の新作「雪国列車」に出演したソン・ガンホが23日、ソウル市内でインタビューに応じ、ポン監督との特別な縁をこう語った。

 ポン監督とソン・ガンホが抜群の相性で傑作を生み出してきたことは、よく知られている。「殺人の追憶」(2003年)と「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)は2人に大きな成功をもたらし、2人が別の監督、あるいは別の俳優とコンビを組んだ作品は、いずれもこの2作ほど熱狂的な反響を得られなかった。
 そのため、ソン・ガンホの「雪国列車」出演は、2人がまたヒットを生むに違いないという期待感を抱かせる。海外のメディアも「雪国列車」の紹介記事で、ソン・ガンホの役割を大きく報じている。

 ソン・ガンホ自身も、久しぶりのポン監督との撮影に興奮したと語る。「ポン監督と一緒のとき、ポン・ジュノという芸術家の新たな物語を一緒に作っていくということにとてもワクワクし、興奮しました。わたしもポン・ジュノのファンとして新作を心待ちにしていたので、彼が心血を注いだ新たな作品に出会えることがうれしかったです」

 「雪国列車」はポン監督が海外で撮影した初の英語作品だ。氷河期に突入した地球で唯一の生存空間となる列車を舞台に、抑圧に苦しんでいた人々の反乱を描いており、ソン・ガンホは女優のコ・アソンと共に唯一の韓国人を演じる。列車の最後尾車両に暮らす最下層のリーダー、カーティス(クリス・エバンス)が反乱を起こし、前方に進んでいく上で必要不可欠なセキュリティー設計者、ナムグン・ミンス役だ。

 だが、ミンスはカーティスの言葉を素直に聞く男ではない。最初に登場した瞬間から、反抗的で何かを胸中に秘めているように見える。「クロノル」という幻覚物質の塊に執着する変人ぶりも見せる。
 「一番平凡ながらも胸中が全く読めない人物を見せようとしました。この列車そのものが普通ではなく、非常に極限状況でしょう。ポン監督は『グエムル』で韓国社会を語りましたが、どうかすると『雪国列車』は『グエムル』の世界版ではないかと思います。ここでは怪物の実体は目に見えませんが、列車の車両等級を守ろうとする者と脱出しようとする者のあがきが繰り返され、外は死だけという世界が『グエムル』と似ているように思います」

 ハリウッドの俳優らに囲まれながらも、ソン・ガンホは一切英語を使わない。娘役のコ・アソンは列車の中で生まれたため英語を話すが、彼は通訳機に頼っている。だが、通訳機がきちんと通訳しようがしまいが、言いたいことは遠慮なく言う人物だ。ソン・ガンホは、ミンスを「英語をあえて使う理由のない人物」としたところにポン・ジュノらしい自信が見て取れ、自分もわずかに自負心を感じられると語る。

 そうはいっても、英語に対する負担がなかったわけではない。英語しか話さない共演者に合わせて演じるため、いつも以上に緊張を強いられたと打ち明ける。
 「台本の読み合わせをしたときに驚きました。クリス・エバンス、ジェイミー・ベル、コ・アソンと4人だったのですが、台本を追っていたらいつのまにか違うところを読んでいるのです。英語で演じる人と息を合わせるのは本当に難しいと思いました」

 ハリウッドの俳優との共演で学んだことも多かったという。「NG」をできるだけ出さないよう十分準備して臨み、共演者に迷惑をかけないように努めるハリウッド俳優らの姿を見て「本当のプロの姿勢を学んだ」と振り返った。
 ソン・ガンホは前作「凍える牙」以降、1年半以上も大衆の前から遠ざかっていたが、その間も映画を撮り続けていた。出演した映画3本が今年、「雪国列車」を皮切りに順次公開される。9月公開予定の「観相」と年末公開予定の「弁護人」(いずれも原題)だ。

 ソン・ガンホは、「雪国列車」は仮想の未来の物語、「観相」は過去を扱った歴史もの、「弁護人」は1980年代を背景にした現実の物語だと説明し、「過去、未来、現実を描いた3作品はどれも観客の興味を引くと思う」と自信をのぞかせた。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0