イ・ボミさん=(聯合ニュース)
イ・ボミさん=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「確かな手応えを感じている」――。先週行われた女子ゴルフの樋口久子・森永製菓ウイダー・レディースで圧勝劇を演出したイ・ボミさん(25)は自信に満ちていた。
 最終日は前半早々から独走態勢に入ると、後半もスコアを伸ばしてコースレコードタイで優勝カップを手にした。9月の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯に続く今季2勝目。「本来のスイングに戻したことが勝因かな」と喜びを語る。
 実は今年初めからスイングの修正に取り組んでいた。日本ツアー参戦3年目を迎え、コースにも慣れてきたし、「もっと飛ばしたい」という欲も出てきたからだ。
 しかし、新しいスイングにうまく適応できず、結果を残せなかった。悩んだ末、元のスイングに戻すことに。高校時代からの恩師の指導を受け、この夏に猛特訓した。それから徐々に調子が上がり、持ち前のショットの切れ味が戻った。
 実力もさることながら、とびっきりの笑顔でファンの心をつかんでいる。ニックネームは「スマイルキャンディー」。ミスショットの後も笑顔を絶やさない。真面目にプレーしていないと誤解されたこともある。
 笑顔は前向きに進みたいとの気持ちの表れ。実は泣くことも多い。そんな表情豊かなイ・ボミさんの魅力にはまり、ファンになったという人も少なくない。韓国では1500人を超えるファンクラブ会員を抱える。昨年から日本でもオフィシャルサイトが開設され、いわゆる「私設ファンクラブ」が発足した。ゴルフ業界関係者によると、韓日両方でファンクラブがあるのはおそらくイ・ボミさんが唯一だ。
 「ティーショット後にファンから『ナイスショット!』と声がかかると力が湧いてくる。本当に最高。家族やキャディー、コーチのほか、ファンの支えが自分を強くさせてくれていると実感している」
 初めてクラブを握ったのは小学校5年生の時だった。親に内緒でテコンドー道場に通うほど、わんぱくだった少女に父親がゴルフを勧めた。4姉妹の次女として生まれたイ・ボミさんは「ゴルフウエアも買ってくれるし、練習場でも見守ってくれる。親の愛を独り占めしているようでとても幸せだった」と振り返る。
 当時の練習仲間には韓国人初の日本男子ツアー賞金王、金庚泰(キム・キョンテ)選手や米ツアーで活躍する盧承烈(ノ・スンヨル)選手らがいる。日本進出の際に、金庚泰選手に言われた「君ならきっとできる」というひと言は大きな自信につながった。
 今では日本での生活にも慣れ、森田理香子選手、服部真夕選手らと仲良くしている。日本語がなかなか上達せずそれほど深い話はできないが、一緒にいると楽しい。日本料理では天ぷらやすし、とんかつなどが大好物だ。
 日本でプレーするようになって最も変わったことは、クラブの組み合わせ。日本のコースはフェアウェイが狭い上、グリーンが硬く高い球で攻めざるを得ない。そのため、韓国で4番から使っていたアイアンを、日本では6番からPWだけに絞った。代わりにユーティリティは3本に増やした。「ピカイチ」と評されるアプローチには51度と57度のウェッジを使用している。
 目標はやはり日本ツアーでの賞金女王。達成すれば、史上初の韓日両ツアー賞金女王となる。日本ツアーに専念するため、賞金王にもなった谷口徹選手の元専属キャディーと契約したほか、来年からは神戸に住まいを構える予定だ。
 今年は残りの伊藤園レディース、大王製紙エリエールレディスオープン、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの3戦すべてに参戦する。特に、15日から始まる伊藤園レディースと最終戦のリコーカップはディフェンディングチャンピオンとして挑む。
 「日本で活躍した故・具玉姫(ク・オッキ)さんら先輩のおかげで、このように日本でプレーすることができたと思う。自分も後輩らの模範になれるよう、頑張りたい」
 韓日両国のファンに支えられ、実力もメンタルも年々成長している。韓日両ツアーでの賞金女王への夢へと着実に歩みを進める。(崔世一)

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