ケーブルチャンネルtvNのドラマ「応答せよ1994」が高視聴率を叩きだし、ことしの冬、放送界で”台風の目”となっている。

韓国ドラマ「応答せよ1994」のネタバレあらすじ、キャスト、視聴率、相関図、感想

 先月18日、初放送された同番組は、続く好評作と話題の中で去る24日、自己最高視聴率の9.3%(ニールセンコリア調べ)を記録した。

 1%を超えるだけでも「高い」と評価されるケーブルテレビ市場で大ヒット作品がまたひとつ誕生したのだ。

■純情漫画のような思い出の魔法
 今から19年前の1994年を背景にしたこの作品が持つ最大の武器は”思い出”だ。20年近く地方で暮らしていたが、大学進学のためにソウルに上京した下宿生のソウルへの幻想とエピソード、両親と離れて一人で他の土地で暮らしながら経験する寂しさや下宿生の仲間同士の友情、恋愛、切なさなどが描かれている。視聴者は当時を自然と振り返り、思い出に共感しているようだ。

 しかし、懐かしさを刺激したという理由だけでドラマが大ヒットしたとするのは、疑問が残る。昨年、映画「建築学概論」の興業以降、1990年代を描いたコンテンツが相次いでいるが、このような大ヒットを記録する作品は指で数えられるほどだからだ。

 一世代アイドル歌手が集結した「ホットジェクゴッドアールジー(H.S.g.R.)」や「青春ナイトコンサート」など1990代という現実に基づいたいくつかのコンテンツがあるが、「応答せよ1994」や「建築学概論」のようにフィクションの威力は及ばなかった。

 「応答せよ1994」は、視聴者が19年前に経験した”体験”から否定的な要素を除いて、幸せだった思い出でうまく包んだことが成功の要因だ。

 そして、男女間の恋愛や地域の特性と同じ時代を取り巻く要素を積極的に配置して、当時20代だった視聴者だけではなく、いま20代を迎えている視聴者の共感をも得ている。

 出演者であるアイドルグループ「B1A4」のBAROは、先ごろ聯合ニュースのインタビューで「僕も地方出身で、歌手オーディションに合格したことで高校時代にソウルへ上京してきた。下宿生活のシーンは、宿舎生活と似ていて、台本を読むたびに共感する点が多い」と答えた。

 実際、多くの人々にとって1994年というそれ自体は、思い出よりは不幸な記憶、片思いの甘さよりは別れの痛みがより多いのだ。

 1994年は金一成の死去、聖水大橋の崩壊事故など韓国社会を揺るがす事件、事故が多発した年でもある。

 文化評論家のシム・ヨンソプ教授は「人間の心理では、混乱の記憶を新しい記憶で塗り替えようとする記憶偏りが作用する。過ぎ去った時間が良いものだったとすることは、人間に慰めを与えるため」とし「厳しかった1980年代は、映画『華麗な休暇』や『古い庭園』に見て取れるように歴史的な重量感と罪悪感がとても大きく、このような作用が不可能となる。しかし、1990年代は思い出と感性で包むことが可能といえる」と分析した。

 もちろん「応答せよ1994」は、「ソテジワアイドゥル(Seo Taiji&Boys)」や下宿、ピッピ(ポケベル)、衣料ブランド「ティピコシ」など当時を描写する商品を忠実に使用して、現実との接点を逃さなかった。

 特に「何如歌」が流れるオープニング映像は「ソテジワアイドゥル」やキム・ヨンサム前大統領、ゲーム「ストリート・ファイター」などのイメージを次々と見せて、1分にも満たない短い時間で視聴者が19年前の映像を思い浮かぶよう先導している。

 そして、前作「応答せよ1997」がソウル中央裁判所のスター判事ユン・ユンジェ(ソ・イングク)を前面に出したように、前途有望な医大生を通して、さわやかな過去の初恋が「未来の花婿候補」として劇的な変貌を飛べるかもしれないというシンデレラファンタジーも刺激しているのだ。

■広告界も「応答せよ」、関連曲が人気上昇
 このようなブームの中に、最も早く反応を示したのは、流行に敏感な広告業界だった。

 特に、劇中主人公役のチョンウは、これまでにない広告界からのラブコールに「うれしい悲鳴」をあげている。彼は、すでにエバーランドやミスター・ピザの広告モデルとして抜てきされ、CM撮影を行った。

 チョンウの所属事務所ベルアクターズ関係者は「広告界でチョンウへの反応が熱い。すでに撮影した広告以外にもコーヒーや酒類、食品など様々なブランドかラブコールを受けている」と伝えた。

 また、コ・アラの所属事務所SMエンタテインメント関係者は「『応答せよ1994」の放送後、関心が高まっているからなのか、広告業界からの問い合わせが殺到している」と語った。

 ドラマ出演者たちは、人気歌手たちのミュージックビデオ交渉も1位だ。「SISTAR」ヒョリンの初ソロアルバムのタイトル曲「君しか知らない」にはユ・ヨンソク、「野菊」が27年ぶりに発表するアルバムのミュージックビデオにはキム・ソンギュンがキャスティングされた。

 ドラマに登場する俳優だけでなく、挿入されている楽曲についても大衆の関心が高まっている。

 実際に、去る23日に音盤サイト「メロン」では「ひとりだけの愛」(キム・ゴンモ、35位)、「記憶の中の遠い君へ」(パク・ミギョン、38位)、「君へ」(ソテジワアイドゥル、48位)など、放送で使われた1990年代の曲が20年ちかい歳月を経て、人気キーワードランキングにランクインした。

 また、ソン・シギョンの「君へ」(原曲:ソテジワアイドゥル)、Hi.niの「手の届かない君」(原曲:バンク)など、1990年代にヒットした曲をリメイクした「応答せよ1994」オリジナル・サウンドトラックも音源チャート上位に入り、好評を得ている。


応答せよ1994 : メイキング映像 2
応答せよ1994 : メイキング映像 2




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