豊岡市から韓国に飛来したコウノトリ(文化財庁提供)=20日、ソウル(聯合ニュース)
豊岡市から韓国に飛来したコウノトリ(文化財庁提供)=20日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】兵庫県豊岡市から野生復帰のため放鳥された天然記念物のコウノトリ1羽が韓国で初めて確認された。韓国文化財庁が20日、明らかにした。
 同庁によると、韓国南東部、慶尚南道・金海市にある花浦川湿地生態館は今月18日に湿地を点検した際、個体識別用の脚輪をつけた雌のコウノトリを発見した。コウノトリの野生復帰プロジェクトを行っている豊岡市の研究所に確認したところ、日本で人工増殖した後に放たれた鳥ということが分かった。
 目撃されたコウノトリは日本が2005年以降に自然放鳥してから留鳥になった72羽のうち、2012年4月6日に豊岡市が繁殖した幼鳥。このコウノトリは今年3月15日に対馬で確認されていた。
 韓国教員大の韓国コウノトリ復元センター長を務める朴是龍(パク・シリョン)教授(生物教育)は「日本で生まれたコウノトリが朝鮮半島を訪れたことは、韓国内で野生復帰する予定のコウノトリたちが、日本で野生復帰したコウノトリと交流することが出来る可能性を示す非常に重要な最初の事例」とした上で、「まだ朝鮮半島には野生復帰した例がないため、今回発見された雌のコウノトリは日本に戻る可能性が高い」と述べた。
 文化財庁は韓国中部の忠清南道・礼山にコウノトリと人間が共生する「コウノトリの郷」の造成を進めている。完工する2015年からコウノトリを野生放鳥する計画だ。
 コウノトリはシベリアや中国東北地方で繁殖し、韓国や日本などで越冬する。世界中に3000匹以下しか生存せず、絶滅の危機にさらされている。
 韓国では、1971年に雄のコウノトリが密猟で射殺され、1994年には最後に残った雌が死に留鳥としてのコウノトリは絶滅した。
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