イ・ジア の最新ニュースまとめ
先月末にSBSドラマ「3度結婚する女」が終了しから2週間後にインタビューに応じたイ・ジアにソウル市内で会った。彼女はこの間、所属事務所を移り、十分でなかった睡眠をとり、行けなかった美味しい店も渡り歩いたそうだ。
思っていたよりも明るかったのは、「父親の違う2人の子供を産み、2度離婚したオ・ウンス」から、ある程度逸脱できる時間的余裕があったからのようだった。しかし、オ・ウンスの話題になると、いつの間にか顔色を変える。
毎回、ドラマを視聴していたが、最終回は見ることができずに、わざと約束を作って飲みに出かけた。個人的に演技指導を受けた女優キム・ヘスクに電話をし、涙を流したという。未だに最終回は見られていないといい、「どんな心境でなのか、自分自身もわからない」と話した。
思っていたよりも緊張していたのは、かなり久しぶりのことだからだという。「イベント事にはあまり足を運ばないのですが、最近、ソウルファッションウィークに出席しました。フォトセッションの際、カメラマンがとても多く、一斉に輝くフラッシュに驚いてしまいました。それでも“クール”を装い、ポーズを取りました。すると、『こっち見てください』と声がかかるのですが、脚が震えて動けなかったんです。退出する方向も間違え、ずっと失敗していたのですが、後で見た写真は“クール”によく撮れていたんです。混迷した状態だったのに、写真を見てわたし自身が驚きました」
女優イ・ジアは大作ドラマ「太王四神記」(2007)でトップスター、ペ・ヨンジュンの前でも堂々とした演技を見せ、華麗にデビューした。その後、「ベートーベン・ウィルス」(2008)、「スタイル」(2009)、「アテナ:戦争の女神」(2010)で、キム・ミョンミン、キム・ヘス、チャ・スンウォンらトップ俳優と肩を並べ、主演俳優としての地位を固めた。
しかし、2011年初め、新たな恋をスタートさせた頃、世間を揺るがす極秘結婚、離婚、訴訟の事実が急激に広まり、同年末に出演したドラマ「私も、花!」で復帰したが、制作発表会以外のインタビューは避けてきた。
「攻撃もたくさん受け、傷も抱えて臆病になっていた」という彼女が長い空白期の末、選択した作品がキム・スヒョン作家の「3度結婚する女」だと話したとき、その選択は決して簡単なことではなかった事が、十分に伝わった。
イ・ジアも「3度も結婚するのだから、簡単なはずがないでしょう」と笑った。「プレッシャーも恐怖もありました。キム作家の作品は大変な事で有名で、期待値も高いため、うまく演じられれば認められますが、自分自身がうまくできるか不安でした。キム作家の作品特有の言い回しや演技が、初めからできる人はいないと思いますが、わたしはこれまでトレンディーなドラマに出演してきたので、より大変でした」
イ・ジアは台本読み初日、「多くの指摘を受けひどい目に遭った」と言うが、キム作家が彼女にかけた言葉は「自信を持ち、あなたが持ったものを破って出てきなさい」という温かい応援と激励だった。
ヒロインのキャスティングが難航し、他の俳優陣はすでに何度も練習を行っていたため、遅れて合流した彼女は緊張するしかなかった。「あのときの事はよく憶えていませんが、同席していた方々から言われたのは、わたしはたくさん指摘を受けながらも、キャラクターの感情について質問し続けていたそうです」。続けて、「空白期が長くなり、他の作品を選ぶ事もできましたが、心が動く作品がありませんでした」と奇遇な運命の女性オ・ウンスを選んだのは、キム・スヒョン作家の作品だったからと話す。
「多くの方がオ・ウンスとわたしを関連付けて見てしまうと思うので、負担は大きかったです。たくさん悩みましたし、本当に大きな勇気が必要でした。しかし、わたし自らの枠組みを破らなければと考えました。韓国は外国のように演技を演技としてだけ見ない部分があり、そのような視線を恐れるのも偏見になり、そういう事を気にするのが俳優として正しいのか…。キム作家の作品をすれば、本当に多くの事を学び、得ることができるという話を周りから聞き、それが一番の理由でした」
「敢えてうそをつこうとしたのではなく、一人の人間・女性として守りたかった」出来事が、世の中に知れ渡ったとき、彼女は非常につらく「時間が過ぎても鈍らない」と話した。自身に対する興味と視線が刺激的すぎていたため「とてもつらかった」という彼女は、「その関心事が少しでもいい事ならよかったのに」と素朴な望みを明かし笑った。
オ・ウンスを演じながらイ・ジアは「秘密に包まれた新人女優」「才能豊かなスター」ではなく「女優イ・ジア」になった。大衆の関心や愛は、俳優として生きられるための祝福であり、担わなければならない天罰だ。
ひとりでも十分につらかったであろう苦痛を、女優として世の中に知られながら味わった彼女は、女優になった事を後悔しなかったのだろうか。しかし彼女は、断固たる表情で「後悔したことはない。女優としてのわたしが好き」と話した。
「人生で屈曲を体験するほど、感情が深くなるのは当然。俳優としてとても順調に生きてきたよりはいいのではないか」と明るく笑ったイ・ジアは、強いようで弱く見え、弱いようで強く見えた。
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