俳優キム・スヒョン
俳優キム・スヒョン
韓国ドラマ「星から来たあなた」が中国で大ブレイクし、主演俳優のキム・スヒョンと女優のチョン・ジヒョンの中華圏における株価が急騰している。

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 とくにキム・スヒョンの場合は、このドラマと共にわずか半年足らずの期間で中華圏だけでも20本余り、韓国では15本ほどの広告契約を獲得し、ドラマ「相続者たち」のイ・ミンホに並ぶ「2大韓流スター」に成長している。

 日本での韓国ドラマ全盛期の時期、「冬のソナタ」ペ・ヨンジュン、「美しき日々」イ・ビョンホン、「イブのすべて」チャン・ドンゴン、「秋の童話」ウォンビンなど、いわゆる「韓流四天王」の勢いを思い出させるところだ。

 また、ムービースター、チョン・ジヒョンもこのドラマでお茶の間進出に成功し、テレビ女優として大復活を遂げた。彼女の場合も、韓国国内での広告契約数を合わせればその数は25本に上る。

 このようにかつてないほどの「羽振りの良さ」を体験中の2人だが、思わぬところでブレーキがかかってしまった。いや、落とし穴だ。

 中国の不動産関連大手企業「恆大」グループの新規事業の一環として発売するミネラルウォーター「恒大冰泉」のテレビCMを含む広告契約書にサインしたことが問題の発端。

 この商品の原産地である朝鮮半島最高の山で韓民族の霊山である「白頭山」(ペクトゥサン)が、中国式名所である「長白山」(チャンパイシャン)と記載されていることが韓国のネット上で話題となり、韓国の一部人々から非難を受けることになった。

 非難勢力によれば、このような表記は、中国が2002年頃から企んでいる高句麗史を中国史の一部にしようという「東北工程」と変わらない行為だという。

 韓国歴史での高句麗とは百済や新羅と共に、「3国時代」の一国。ドラマ「朱蒙(チュモン)」やドラマ「太王四神記」の背景としても有名な時代だ。領土の面では、韓国歴史上の最大国であり、新羅による「3国統一」の直前まで、大国「隋」や「唐」の侵略から韓半島を守った国として、高く評価されている。

 中国や日本など、周辺の大国から何度も侵略され支配された経験を持つ韓国の人々は、歴史問題には非常に敏感に反応する傾向がある。

 今回の、生産地(原産地)表記問題に対しても、韓国の一部人々が中国企業の歴史歪曲行為ととらえ、何も知らずに契約したキム・スヒョンとチョン・ジヒョンにまで非難の矢を向けているのだ。

 これらの世論を受け、2人の所属事務所はすでに中国の発売元の「恆大」側に広告契約解除を要請しており、ファンに対しては「原産地(表記)を事前確認できなかったことは我々の不注意です。申し訳ございません。」と謝罪している。

 しかし、本当にこのような対応は正しいのか。日韓の呼称問題を見てみよう。

 韓国では「東海」(トンヘ)と呼んでいる海域を日本では「日本海」と呼び、日本国民の間でも当たり前のように使われている。しかし、韓国で販売される商品には、その原産地名を「日本海」と表記しない。地域や言葉が違うならば、名称も違うことは当然だ。

 自国で慣れ親しんいる呼称で表記することは当たり前の発想なのだ。
「白頭山」(ペクトゥサン)に関しても、中国では15世紀の「清」の時代から「長白山」(チャンパイシャン)と認識されてきた背景もある。

 もちろん、新たな歴史解釈を通じて、多民族を上手く統合しようとする中国の政策には、韓国からの非難の声があり得る。しかし、中国企業は中国消費者の認識や現状の名称に従うしかない。

 問題のミネラルウォーターの広告は、テレビCMを含め、7月から中国の主要都市で露出される予定なので、現時点での契約解除要請は訴訟問題にまで発展する可能性もある。

 その場合、韓国の一部人々の度を過ぎた拘りが、始まったばかりの中韓の大衆文化の交流に水を差すことにつながりかねない。

 キム・スヒョンやチョン・ジヒョンの所属事務所も、ここは毅然たる態度を貫くべきだったが、無駄な論争になりそうな問題を回避しようとする判断も分からなくない。

 2年前の2012年は、当時の韓国の政治権力者の独断による竹島(独島)上陸が起爆剤となって日本では「嫌韓ムード」が広がっていた。両国の政治勢力は、それを国内政治に上手く利用する場面があった。

 執着や独断は、日中韓の交流やそれによるお互いの効用を損ない、結局は各々の国民大衆のもっと幸せな生活をおくる機会を奪う愚行になるだけだ。大衆はいつまでも政治勢力に踊らされるものなのか。



SBS [一晩のTV芸能] - 「星から来たあなた」チームの俳優たち
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