【ソウル聯合ニュース】韓国で初めて北朝鮮脱出住民(脱北者)出身の外科専門医が誕生した。 高麗大安山病院は22日、脱北者の
コ・ユンソンさんが20日に外科専門医試験に合格したと発表した。 北朝鮮で医師だった脱北者のうち韓国の医師免許を取得した人は10人ほどいるが、外科専門医になった人はコさんが初となる。 同病院によると、コさんは北朝鮮中西部、平安南道の平城医科大を卒業後に医師となり、5年間、周辺地域で結核患者を診療した。 北朝鮮脱出後、2007年に中国・大連から韓国入りしたコさんは韓国の医師免許を取得するため2年間、勉強漬けの日々を送った。2010年に念願の医師免許を取得。同病院で4年にわたる研修医生活を経て、晴れて専門医試験にも合格した。 コさんは医師国家試験を準備しながら韓国と北朝鮮の医療システムに大きな格差があることを実感し、研修医になってからは基礎をしっかり固めるため努力した。 最も大きな問題はラテン語の医学用語を使う北朝鮮と異なり、韓国は英語の用語を使うため実務的なコミュニケーションが難しかったことだが、指導教授や同僚の助けもあって克服することができた。 韓国の若い医師が避ける外科専門医の道を歩もうとする理由も明確だ。医療環境が劣悪な北朝鮮では医師の専攻を内科と外科の二つだけに分ける。コさんは「特に、外科医の数が絶対的に不足しており、1人の外科医が外科分野全般の診療を行わなければならないため、韓国に来てからも外科医になる夢を持ち続けてきた」と振り返った。 コさんは今後、南北統一後を見据えた保健医療分野のインフラ構築に献身したいと考えている。「まずは外科を中心に、医療従事者だった脱北者を再教育したい。徐々に全ての専門科へと領域を拡大し、韓国の専門医と同水準の人材に養成することが目標だ」と抱負を語った。 hjc@yna.co.kr
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