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株価の値幅制限拡大迫る 期待と懸念が交錯=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国の株式市場に大きな変化をもたらす値幅制限の拡大が約1カ月後に迫った。韓国取引所と証券業界は暫定的に来月15日を実施日と定め、準備を進めている。 株価の上昇と下落の範囲が従来の15%から30%に拡大される制度変更を前に、市場では期待と懸念が交錯している。◇効率的な価格決定・市場の健全化に期待 値幅制限が拡大されれば、すぐに株価の動きが大きく変化する。特定の材料が株価に反映されるスピードが速くなるためだ。 例えば、3日連続でストップ高になれば株価は元の価格の2倍をはるかに超える。反対にストップ安が続けば、たった2日で半分、4日で4分の1に下落する。 従来の値幅制限をめぐっては、市場の安定には役立つものの効率的な価格形成を妨げると指摘されてきた。 何らかの株価変動材料があっても、15%という値幅制限のため当日の市場で均衡価格が形成されない問題や、株価が12~13%上昇または下落した場合に市場が過剰に反応し、ストップ高やストップ安に張り付く問題があった。株価を人為的にストップ高に近づけ、売買をあおる不公正取引も発生している。 値幅制限の拡大は、こうした非効率性や不公正取引の可能性を減らせるという面で、肯定的に評価されている。また、当局と証券業界は取引高の増加による市場の活性化にも期待を寄せている。 金融当局は、プラスマイナス30%の値幅制限は不公正取引の防止と効率的な価格形成に十分な水準とみているが、将来的には制限の完全廃止も検討する考えだ。◇個人投資家の被害への懸念も 一方で、値幅制限の拡大に対する懸念も少なくない。突発的な悪材料が発生したときの市場への衝撃がはるかに大きくなりかねないためだ。 投資家が市場に出された情報をきちんと認識、評価できていない状態で急激に変動性が拡大し得るため、投資家保護の面でもリスク要素がある。とりわけ、変動性が大きいコスダック(新興企業向け市場)や中小型株への投資比重が高い個人投資家の被害が懸念されている。 韓国株式市場ではこの間、値幅制限が6%から15%まで段階的に拡大されてきた。だが今回は一気に2倍に拡大されるため、市場への波及力ははるかに大きくなる。◇銘柄別の二極化進む、間接投資も拡大の見通し 値幅制限の拡大は、短期的には市場の不安を高める恐れがあるが、長期的にはより成熟した投資文化が根付く契機になるとも期待される。 実施からしばらくは、株価の大幅な値下がりを警戒して投資家が守りの姿勢を取ると予測される。 大信証券のチョ・ユンナム・リサーチセンター長は「業績などに株価が敏感に動き、変動幅が大きくなるとみられるため、個人投資家らが株を売却して手を引く可能性もある」と説明した。ただ、主に中小型株が影響を受けると予想されるため、市場全般には大きな影響を与えないとの見方を示した。 好材料と悪材料に対する価格弾力性が高まることから、業績などに伴う中小型株の銘柄別の二極化が進むとみられる。また、中小型株の変動性拡大が大型株の需要増につながり、間接投資への関心が高まる可能性もある。 stomo@yna.co.kr