シューティングアクトのDa-iCEがエレクトロ・ビートに乗ってキレのあるダンス&ボーカルをアピールした後は、通算4回目の「a-nation stadium fes.」出演となるAcid Black Cherry。1曲目は耽美なロックバラード「イエス」。憂いを帯びたメロディとともに<雨にうたれ 君を探して 叫んでいた>というフレーズが響くと、雨が降り続けるスタジアムの光景と重なり、大きな歓声が起こる。高速のヘビィロックチューン「罪と罰~神様のアリバイ~」ではyasuが花道の先まで進み、雨の中で熱唱。セクシーなアクションもめちゃくちゃカッコいい。「濡れてる?」「音楽は聴いてもいいし、観てもいいけど、感じれば体が勝手に動くものなので……下ネタみたいだけど、半分下ネタです(笑)」というMCのあとは、さらに高揚感の強いナンバーが続く。「SPELL MAGIC」ではTEAM ABCと呼ばれるファンが激しくヘッドバンギング。ラストは「TEAM ABCもそうでないヤツらも好きに感じて暴れちゃってください!」という煽りに導かれた「エストエム」。9月から始まるアリーナツアーへの期待がさらに高まる、大迫力のライブだった。
キュート&フレッシュな「SUPER☆GiRLS」のステージの後は、デビュー10周年のアニバーサリーイヤーの「AAA」のパフォーマンスへ。今年4月に初めてのアジアツアーを成功させ、現在、全国アリーナツアーを開催中の7人はキレのあるステージを展開。まずは最新曲「LOVER」でラテンとEDMを融合させたサウンドとともにシックなボーカルを聴かせる。さらにバウンシーなトラックが印象的な「I'll be there」へ。大人っぽい雰囲気を漂わせるダンス・パフォーマンスからは、このグループの進化がはっきりと伝わってきた。
「雨だけど、逆に騒ぎたい人にはもってこいなんじゃないの?」(日高光啓)「夏の締めくくりということで、最高の時間にしていきたいと思います!」(浦田直也)というMCを挟み、ノスタルジックな手触りのラブソング「恋音と雨空」。そして観客が楽しそうにタオルを回し、メンバーが自由にステージを動いた「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」で一気に興奮度がアップ。幅広いテイストの楽曲をバランスよくちりばめた、魅力あふれるライブだった。
今年の「a-nation stadium fes.」の大トリはもちろん、浜崎あゆみ。演劇的な構成、男性ダンサーとのセクシーな絡み、本格的なイリュージョンを取り入れた「Wake me up」でライブはスタート。さらに最新鋭のダンストラックを取り入れた「Movin' on without you」(宇多田ヒカル)を歌い上げ、“2015年の浜崎あゆみ”をダイレクトに体現する。ここで小室哲哉、浦田直也(AAA)が登場し、「DEPARTURES」(globe)へ。ロマンティックなイントロのフレーズ、祈りにも似た美しいメロディライン、そして、エッジの効いたラップ。小室、浜崎、浦田のコラボレーションが実現したこの曲は間違いなく、今年のa-nationの大きなハイライトだった。小室のドラマティックなピアノソロを挟み、純白のドレスに着替えた浜崎は、自らのキャリアを象徴するヒットチューンを次々と放つ。“どんなに悲しくても、めぐる季節の中で、いつか笑える日が来る”というメッセージが胸を打つ「SEASONS」、<人はどうして想いのままに生きられないの>という哀切なバラードナンバー「HANABI」。ひとつひとつの言葉を手渡すような浜崎のボーカルも強く心に残った。また、8/5にリリースされたニューアルバム『sixxxxxx』収録曲「Summer diary」も。<この夏のことを忘れないよずっと>というフレーズは、夏の終わりのa-nationによく似合う。気が付けば、すっかり雨も上がっていた。
ライブ後半にも大きなサプライズが用意されていた。再び小室、浦田が姿を見せて「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」(H Jungle with t)を披露。進化したジャングルビートとポジティブなメッセージがスタジアム全体に広がり、大きな歌声が響き渡る。そして「2015年a-nation、最後の曲になります!」というシャウトにリードされた「July 1st」。<明日晴れたら 君に会いに行こう>という大合唱、ゴージャズに打ち上げられた花火とともにエンディングを迎えた。