<b>4部作ミニシリーズ…実験・独創性に注目</b>

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「これまで、警察を主人公にしたドラマは、ほとんどがラブストーリーなどに焦点をおいたロマンス、ヒューマンドラマだった。しかし、最近放送を開始した『特殊捜査日誌:1号館事件』は、事件解決と推理過程を集中的に見せる職業としての刑事を扱った作品という点で、これまでのドラマと異なる」

9月13日に第1話が放送されたKBS4部作ドラマ『特殊捜査日誌:1号館事件』のクォン・ゲホンPDの言葉だ。クォンPDは「様々なジャンルのドラマが必要な時点で、このドラマを通じ、KBSが新しい形式で新しい内容のドラマを披露することになった。新しい観点で、ドラマを視聴してくれれば嬉しい」と付け加える。

彼はインタビュー中、“新しい”という形容詞を強調した。彼にとって“新しい”とは、現在のドラマのフォーマット、16~24部作という定型化されたミニシリーズの古臭さから抜け出そうとする、制作陣の努力を含んだ表現であるようだった。

青瓦台(チョンワデ=大統領府)という特殊空間で繰り広げられる殺人事件捜査を描く、推理形式のこのドラマは、6月13日から2か月に渡って、事前制作を行った。放送された第1話分がアメリカの捜査ドラマCSIの雰囲気を漂わせたが、映像とジャンル実験、セットの完成度、コンピューターグラフィックなど既存のミニシリーズで見られなかった要素たちが、視聴者の視線を注目させるのに充分だったという評価を受けた。

韓国のお茶の間にミニシリーズのフォーマットが導入されたのは、1987年だった。米ABCが77年『ルーツ(Roots)』という作品でミニシリーズというフォーマットを披露してから、正確に10年後だった。初作品は、MBCが放送した8部作ミニシリーズ『火の鳥』(原作:チェ・イノ)で、ミニシリーズは長期連続ドラマが発揮できない緊張感と速度感、実験性、作品性を集約的に描き、短幕劇の一話完結性からくる残念さを補うフォーマットとして脚光を浴びた。また、20年近くドラマの視聴率で先鋒的な役目を果たし、最近では韓流の起爆剤の役目も果たした。

しかし、歳月の長さと同じだけ、副作用も多かった。特に、ロマンスドラマがミニシリーズの95%を占めるなど、ジャンルの画一化がひどかった。似たような内容と古臭い形式、ありきたりのキャラクターの繰り返しなどは、結局、視聴者に嫌われ始めた。数年前までは平均視聴率20~30%、50%という大ヒットを頻繁に記録したミニシリーズがたくさんあったが、最近は視聴率が2%台まで墜落するミニシリーズが続出しており、20%台を記録しただけで成功したという声が出るほど、翼のない墜落が続いている。今年に入って20%台の視聴率を記録したミニシリーズは『宮』『マイガール』『帰っておいで、スネさん』くらいに過ぎない。

古臭さとありきたりな内容、画一性で埋め尽くされたミニシリーズのフォーマットの限界を脱しようとすることが、まさに超ミニシリーズ4部作の試みだ。お茶の間であまり知られていない4部作ミニドラマは、昨年放送されたMBC『ベスト劇場-テルン選手村』ですでに視聴者の注目を集めている。

MBCは7月、子供の誘拐事件を題材にしたサスペンスドラマ『ドロシーを探せ』を放送し、好評を得ている。KBSは『特殊捜査日誌:1号館事件』に続き、4部作ドラマ『逃亡者イ・ドゥヨン』を9月27日から放送。このドラマは殺人罪の濡れ衣を着せられて、逃避生活をする暴力組織員の一員の話を描いたアクション陰謀劇だ。

続々と制作されている4部作超ミニシリーズは、事前制作制が可能な形態である上、演出者や作家が、実験性と独走性を見せることができ、新しい風を吹き込めるフォーマットであることが明らかだ。そして、ジャンルと素材を多様化し、回数を含めたフォーマットと制作慣行の変化の起爆剤になるはずだ。流行している4部作ミニシリーズの試みが、韓国ドラマの地平を拡大するのに、重要な役目を果たすことを期待している。


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