【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の外務省報道官は5日、朝鮮中央通信の記者に対し、「日本軍の性奴隷被害者は朝鮮半島の南にだけいるのではなく北にもいる」と主張した。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相が2日に開かれた首脳会談で旧日本軍の慰安婦問題の早期妥結に向けた交渉を加速させることで合意したばかりで、北朝鮮の主張の背景に関心が集まっている。 同報道官は、日本による植民地支配の期間に約20万人の女性が性奴隷化されたとしながら、「日本は国家的な責任を認め一日も早く全朝鮮民族が納得できる賠償を行うべきだ」とした。 北朝鮮は先月末と今月初めに朝鮮労働党機関紙、労働新聞や同通信を通じ、相次いで慰安婦問題をめぐる日本政府の姿勢を強く批判した。 今回の外務省報道官の発言について、ソウル大統一平和研究院の張容碩(チャン・ヨンソク)上級研究員は6日、「北と日本との間で日本人拉致問題が進展していないため、北が『われわれもこういう議題を持っている』として日本政府に圧力をかける意味がある」と分析した。また、南北関係が改善すれば、北朝鮮が韓国と連携し日本に慰安婦問題の解決を求める可能性も排除できないと説明した。 韓国・北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「日本が国連総会で北朝鮮人権決議案を上程し、北の人権問題を批判することに積極的であることが気に入らず、日本に対し人権問題を突きつけたのだろう」と指摘した。 現在、北朝鮮に旧日本軍の慰安婦被害者が何人生存しているか正確には把握されていないが、同報道官の発言を踏まえると北朝鮮にもかなりの数の被害者が生存しているとみられる。10年前には北朝鮮に住む元慰安婦が自身の被害について証言している。 ただ、日本と距離が近い現在の韓国南東部から多くの女性が動員されたことを考慮すると、韓国よりは多くないというのが専門家らの見方だ。 韓国には約200人の元慰安婦が被害者として登録されており、このうち47人が生存している。 sjp@yna.co.kr
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