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産経前支局長に無罪判決 韓日関係改善につながるか
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領について虚偽のうわさを取り上げた記事を電子版に掲載したとして、情報通信網法における名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、地裁は無罪を言い渡した。 これまで両国関係改善の障害となっていた要因の一つが除去されたことにより、今後の両国関係にどのような影響があるかに注目が集まっている。 先月2日には朴大統領と安倍晋三首相による初めての首脳会談が行われ、韓日関係の改善が急速に進むとの期待が高まったものの、旧日本軍による慰安婦問題の交渉でははっきりとした成果を出すことができずにいる。 また先月19日には韓国で出版された書籍「帝国の慰安婦」(原題)をめぐり、ソウル東部地検が慰安婦に対する虚偽の事実を載せ慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして、著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(日本語日本文学科)を名誉毀損(きそん)の罪で在宅起訴した。 今月9日には靖国神社爆発音事件と関連して韓国人が容疑者として逮捕されるなど、韓日関係改善にとっての悪材料が相次いだ。 このような状況での今回の判決は、韓日関係改善の障害となる悪材料の一つが取り除かれたとみることができる。これにより両国関係が急速に改善することはなくても、中長期的には慰安婦問題解決のための条件などで日本が肯定的な態度を見せるとの期待も出ている。 韓国外交部が加藤前支局長に対する1審判決に先立ち、日本側の立場を法務部を通じて裁判所に伝える極めて異例な動きをみせたことからも、今回の無罪判決が重いものであったことが分かる。 韓国外交部当局者は記者団に対し、「日本各界の要人が大局的な立場から善処するよう何回も要請してきており、これに対して外交部は韓日関係改善の動きと18日の韓日基本条約発効50周年などを勘案し、日本側の要請を真剣に考慮する必要があるという立場を法務部に伝達した」と説明した。 日本に対する韓国政府の配慮と、これに対する日本政府の友好的な評価が今後の関係改善に肯定的に要素として作用するとの見方が強まっている。韓国外交部当局者も無罪判決を受け、「起訴による負担が取り除かれたため、今後の韓日関係改善の契機になることを期待する」とコメント。関係改善に期待を示した。 安倍首相も首相官邸で記者団に対し、無罪判決が下されたことを評価し、韓日関係に肯定的な影響があることを期待すると話した。岸田文雄外相も無罪判決が韓日関係を推進する中で良い影響を及ぼすことを期待すると評価した。 韓国・国民大の李元徳(イ・ウォンドク)日本研究所長は聯合ニュースの取材に対し、「外交部が日本側の要請を法務部に伝達したのは極めて異例で、対日関係を改善して慰安婦問題を早急に妥結したいという信号を送ったもの」と指摘した。 また「慰安婦問題解決は両国指導者の政治的決断が重要で、決断のためには条件が造成されなければならない」とした上で、「このような点で今回の無罪判決が今後の条件造成に寄与する可能性がある」と話した。 yugiri@yna.co.kr