俳優ユ・スンホ
俳優ユ・スンホ
俳優ユ・スンホが2016年4月22日(金)にファンミーティングを東京・豊洲PITにて開催し日本のファンと約1年半ぶりの再会を果たした。

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 子役としてデビューし、2007年ドラマ「太王四神記」ではペ・ヨンジュン演じる主人公の子供時代を熱演し注目を浴びたユ・スンホ。その後も数々のドラマや映画で活躍を見せる中、2013年3月に軍へ入隊。2014年の除隊後は、映画「朝鮮魔術師」やドラマ「想像猫」などに次々と出演し話題をさらってきた。2016年2月に最終回を迎えたドラマ「リメンバー」では、“過剰記憶症候群”という特殊な能力を持つ天才弁護士ソ・ジヌを見事に演じきり、“国民の弟”から大人の魅力を放つ実力派俳優への成長を知らしめた。

 日本でのファンミーティング開催は、除隊後すぐの2014年クリスマス以来となる。期待に高まるファンの「スンホシー(スンホさん)!」という大きな呼びかけから、ステージにユ・スンホが笑顔で登場すると、会場は歓声に包まれた。

 この日はボーダーのシャツにジャケット、ジーンズ姿でカジュアルな印象のユ・スンホ。緊張していると前置きしつつも、「今日は楽しい時間にしたいと思います。お会いできてとてもうれしいです」とあいさつした。

 最初のコーナーでは、ファンのためのフォトタイムが準備され、会場のファンはステージ上のユ・スンホの姿を、自身のカメラや携帯電話で写真に納めた。

 ドラマ「リメンバー」の撮影が終了し、今はゆっくり過ごす期間だというユ・スンホは、「軍隊にいた頃は、身体がとてもがっしりとしていたのですが、この1年忙しく作品に出演している中で痩せてしまいました」と、最近は体を鍛えるために少し太ろうとカロリーの高いものを選んで食べたり、ジムに通って運動をしたりしていると話す。

 この話にもあるように、ユ・スンホは除隊してから2本の映画と2本のドラマに立て続けに出演し、充実の日々を過ごしてきた。

 まず話題にあがったのは、ドラマ復帰作となった人気ウェブ漫画が原作の「想像猫」。
自身も4匹の猫を自宅で飼っており、「猫が大好きだから出演を決めた」というユ・スンホは、この作品で猫のポッギルと一緒に暮らす主人公のヒョン・ジョンヒョンを演じた。ここでスペシャル・ゲストとして、ステージにタレント猫のシナモンくんが登場。ユ・スンホはシナモン君をうれしそうに抱きながらトークを進め、「韓国に連れて帰ってもいいですか?」と、猫好きの素顔を見せた。自身が飼っている4匹の愛猫、サモル(3月)とミョンウォル(名月)という名前の姉妹猫と、元々野良猫だったが「想像猫」の撮影で出会い引き取った1匹、そして動物病院で捨てられそうになっていたところを引き取ったという1匹についても写真で紹介。猫への愛情深い一面で、会場の空気を和ませた。

 続いては自身も「初めて壁にぶちあたった」と振り返る、ドラマ「リメンバー」について語ってくれたユ・スンホ。「弁護士という役どころも大変でしたが、“過剰記憶症候群”という、なんでも記憶してしまう能力を持つ役だったので、長いセリフを覚えるのに苦労しました」と苦労エピソードを明かした。

 言葉にはできないが得たものも大きいと、「この作品を通じて自分自身を発見することにもつながりました。自分にとってとても貴重な作品、経験になったと思います」と語った。また、「身体を動かすことがあまり得意ではないので、恥ずかしくてとっても嫌だった」とドラマの中で披露したダンスについて話しながらも、「アクションが好きなので、アクションに挑戦したい」と次回作への意欲を告げた。

 そしてドラマ「リメンバー」での弁護士役にちなんで、会場のファンの中から抽選で選ばれた2名の悩みを解決するというコーナーへ。最初のファンからの悩みは「長く会っていない友人が、魚の鯉になっている夢を見る」というかなり風変わりなもので、ユ・スンホも戸惑いを隠せない。MCのYUMIからの「夢占いによると、魚が出てくる夢はいい夢らしい」というコメントを受け、「鯉は縁起の良い魚ですから、きっとそれはいい夢なんです!」とファンへアドバイスした。

 2人目の「スクリーンの中の人だったユ・スンホを目の前にして、今どうしたらいいのかわからない」というリアルタイムの悩みには、夢ではないことを証明するために、ユ・スンホ自身がファンをつねってみることに。つねられて現実に戻れたと話すファンを前に、「悩みはスッキリ解決しましたね!私の悩み相談室は完ぺきでした」とユ・スンホも満足げな様子を見せた。

 質問コーナーでは、客席へ降りファンの間を歩きながらファンからの質問に答えてまわった。「好きな色を3つ教えてください」という質問には、「1番好きなのは青。次が緑で、あとピンクが好きです」と答え、「私もピンクが好きです!」と質問者も大興奮。

 この日は遠いところから駆け付けたファンも多く来場しており、九州や沖縄から来たというファンも。それぞれが「私の住んでいるところでもイベントをやってください」というリクエストを伝えると、「スケジュールが合えばぜひ行きたいです。一度日本全国を周らないといけませんね」と笑顔で答えた。

 「『リメンバー』で悪役を演じたナムグン・ミンさんを見て、自分もやってみたいと思わなかったか」という質問を受けると、「ナムグン・ミンさんが物を壊したり投げたりしているシーンで、カットがかかると「あースッキリした!」と言っているのがうらやましかった。自分は法廷で泣いたり、『お父さん!』と叫んだりするシーンばかりだったので、次はそういう役もやってみたいですね」と撮影エピソードを交えて語った。

 「お酒は強いですか?」という質問には、「個人的にはお酒はそんなに好きではないんですが、会食やドラマの打ち上げなどではビールを飲みますね。ビールが好きです」という趣向を明らかにした。

 次のコーナーでは、俳優ユ・スンホの演技を生で実感!ということで、会場のファンを相手役にステージへ招き、ドラマ「リメンバー」のパク・ミニョンとのシーンを再現することに。抽選で選ばれた幸運なファンとその場でセリフや動きの打ち合わせをし、自身のセリフを日本語に変えたりと、ファンに合わせて即興で対応する姿には子役からのキャリアの長さを感じさせる。羽交い締めにされたり、口についたアイスクリームをぬぐってあげるシーンをステージで再現し、会場のファンをときめかせた。

 更に「リメンバー」で最大の見せ場でもあった、父親の無実を訴える法廷での最終弁論シーンをドラマの映像に合わせて披露。

 先ほどのコーナーからは打って変わってシリアスな長いセリフをせつなげな面持ちでドラマさながらに読み上げる姿は心に訴える迫力があり、会場のファンも息をのんでステージ上のユ・スンホを見つめる。シーンが終わり、ステージの照明が静かに明るくなると、会場は大きな拍手で包まれた。「1話から19話までジヌが経験したつらい悔しい思いを自分のことのように感じていたので、このシーンを演じた時には僕はジヌそのものでした。裁判長の『無罪』という言葉を聞いて、自然と涙が出てきて、同じシーンで共演したパク・ソンウン先輩の顔を見てさらに涙が溢れました。とても記憶に残る場面です」とユ・スンホ自身も語り、俳優としての神髄を見せつけた。

 雰囲気をまた新たに、次のコーナーでは衣装も変え、赤いエプロン姿でステージに再登場したユ・スンホ。用意されたキッチンのセットで、料理姿を披露。スイートポテトとレモネードをファンにふるまった。さつまいもをつぶしたり、レモンを絞る場面では、力をこめた腕の筋肉にも注目が集まる。ただ料理には不慣れなようで、「家でもあまりキッチンには立たないのに、遠く日本まで来て料理をするなんて不思議な感じです」と笑顔を見せた。

 ファンへのプレゼントコーナーでは、抽選で選ばれたファンとセルカ撮影に応じた。ファンの携帯電話を受け取り、ユ・スンホ自身が男らしくリードしながらの撮影タイムには見守る客席のファンからも歓声が飛んだ。

 そしてこの日のクライマックスとして、ユ・スンホから日本のファンへ、感謝の思いを込めた手紙が読み上げられた。「この1年、記憶にないくらい忙しい時間を過ごしてきましたが、常に最善をつくしてきたので後悔はありません。日本でも公開されたら、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。これからも、成熟し発展した姿をお見せしていきます」と自身について語ると共に、「九州で起こった地震のニュースを聞き、とても心が痛みました。1日も早く正常な生活に戻れるよう祈っています」と日本へ寄せる胸の内を告げた。ユ・スンホは今回のイベントの出演料を、日本赤十字社を通じて地震の被災地に寄付している。

 「今日は時間がとても早く感じました。この時間、この場所に集ってくださった皆さんに心から感謝しています。もし機会があれば、ファンミーティングも、また日本での作品活動もしていきたいです。また皆さんにお会いしたいと思っています。今日は本当にありがとうございました」と最後のあいさつとし、これからのユ・スンホの活動に向けて、会場のファンと一緒に「ファイティン!」でイベントを締めくくった。

 子役からの俳優としてのキャリアに加え、すでに軍隊も経験しているためか、22歳とは思えないほど落ち着きのあるユ・スンホ。シリアス演技では成熟した姿を見せ感動を呼んだが、ファンとの交流の中で時折見せるコミカルな一面や、何といってもその楽しそうな等身大の笑顔にたくさんのファンが心あたたまる思い出を作ることができたのではないだろうか。



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