ちゃんとできないならやらないほうがまし、という言葉がある。
ドラマ『新入社員』の劇中で、イ・ミオク(ハン・ガイン)は再契約を拒否されると、彼女は単独デモを起こし、カンホ(エリック)はこれを手助けする。

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一方、彼の友人・ソンテ(チョン・ジン)に、契約社員について質問すると、ソンテは「外換危機以来、外国資本の要求によって、そういう非正規職が増えていて、これからも深刻化していくしかない」と答える。

こうした一連のシーンに、一部からは好評が寄せられている。それはそうだろう。非正規職員が数百万人に上る現実から、段々情況は深刻化しているのに、韓国ドラマは財閥2世や企画室長、経営後継者が主人公のドラマばかりを作り出してきたのだから。

政府が公式的に発表した非正規職員の数は2001年360万人、2002年380万人、2003年460万人、2004年540万人である。労働業界では816万人としており、今この瞬間も増え続けている。

このような情況で、ドラマが非正規職の問題を取り上げたら注目の的になるだろう。しかし、何を取り上げるかが大事なのではなく、しっかり、きちんと取り上げているかが大事なのだ。

まず、非正規職の発生が外国資本のせいであるという指摘は、一つの意見に過ぎない。この論理からすると、国内の多くの企業や資本・国家が、お互いに肩を並べ、カルテルのように行っている雇用柔軟化の構造を看過してしまう。

非正規職は、資本の再創出と拡張を原理とする資本の属性であり、本質である。真剣味を排除しているこのドラマは、当初からこうしたアプローチの限界があったのかもしれない。しかし、非正規職の原因と発生についての誤解と偏見を視聴者に植え付けてしまった。

また、ここでイ・ミオクという社員が再契約に失敗したのはどうしてだったのか、考えてみる必要がある。ソ・ヒョナ(イ・ソヨン)という、秘書室出身の経営支援チーム新入社員が、いわゆる“背後勢力”を使ってミオクを追い出したのだが、その理由はイ・ボンサム(オ・ジホ)の前カノで目障りだから、というものである。

これらが、非正規職の現実を上手く表しているといえるだろうか?本当に注目すべきだった人物は、志願者書類の分類が間違っていたことを知っていたという理由で、即クビになったミス・キムである。

ドラマで誤解される可能性のある部分は、非正規職問題はもう高卒者にだけ限った問題ではない、ということである。大学や大学院卒業者、延いては博士課程修了・取得者にも、非正規職の苦悩が及んで久しい。

このドラマのように、高卒者と大卒者という本質と様相を縮小しただけでなく、このような二分法的な構図は時代の流れに遅れたものである。しかも、恋愛のせいで再契約に失敗するという設定には喜ぶべきではない。

例えば、正社員と契約社員という区分、正社員登用というニンジンを通して、どれほどの労働搾取、社員・労働者間の分裂を利用するということが行われているか、ということはあまり表されていない。しっかり本質を扱わないと、むしろ本当に苦痛を味わっている人により大きな苦痛を与えかねない。判例を通して具体的に接近していくことが望ましい。

ここに、各個撃破ではなく、非正規職の関連法案制定、社会的連帯、社会安全網の構築など、ネットワークの観点から扱われるべき問題でもある。

友達を呼び集めてデモを行ったり、カンホのように事情に詳しくない人物の行動が、非正規職問題の解決を促すものだったら、どんなに良いだろうか!もしそうなら、愉快な笑いで解決していくべきだろう。

しかしこれは、簡単でもなく、楽しく笑って過ごせる問題ではない。デモシーン1回ごときでドラマをもてはやすのではなく、もう少し見守っていくべきだろう。

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