ユチョン の最新ニュースまとめ
■徴兵検査の兵役等級
ユチョンは徴兵検査を受けたときに、4級と判定されて補充役となった。このあたりから具体的に説明していこう。
徴兵検査では身体測定・健康診断・性格分析などが行なわれるが、専門医による最終決定によって、兵役対象者は7ランクの兵役等級に分けられる。
それは以下のとおりである。
◆1級~3級 現役兵
◆4級 補充役
◆5級 第二国民役
◆6級 兵役免除
◆7級 再検査対象者
まず、1級から3級までの判定を受けると、現役兵として軍務に就くことになる。5級の第二国民役というのは、「現役兵としての服務は無理でも、戦時には後方支援にまわることができる人」を意味している。つまり、平時には入隊しなくてもいいが、戦争が起こったら召集を受ける人たちである。
6級の兵役免除は、すべての兵役が免除される人であり、7級の再検査対象者は、1年後に再び徴兵検査を受けて最終判定が下される人である。
さて、ユチョンが判定された4級の補充役とは何なのか。
■かつては公益勤務要員と呼ばれた
補充役をわかりやすく言えば、「現役兵としての服務が一応は可能なのだが、今は兵力が不足しているわけではないので、とりあえず兵役の代替勤務に就いていていい人」ということになる。
ユチョンは持病の喘息を理由に補充役になったと言われている。
韓国の兵役法では、補充役を次のように規定している。
「徴兵検査の結果、現役兵としての服務が可能と判定された人の中で、兵力需給の事情により、現役兵としての入隊対象者になっていない人」
そして、補充役が就くべき服務の一つとして社会服務要員が挙がっている。
この社会服務要員は2013年までは公益勤務要員と呼ばれていた。今でも、公益勤務要員という言葉のほうがなじみやすいが、法律にしたがって厳密に社会服務要員と呼ぶことにしよう。
兵役法では、社会服務要員を次のように規定している。
「社会服務要員というのは、各機関(国家機関、地方自治団体、公共団体、社会福祉施設)などで公益目的遂行に必要な社会福祉、保健・医療、教育・文化、環境・安全などの社会サービス業務および行政業務などの支援のために招集され、公益分野で服務する人のことである」
ユチョンの場合は、この規定にのっとり、ソウル市の江南区役所で勤務している。この江南区役所は、常に多くの社会服務要員を受け入れている役所として有名であり、現在はユチョンを含めて66人の社会服務要員が勤務している。
■自宅からの通勤が可能
兵役法の第30条には、社会服務要員の服務期間の定めが記されている。
「社会服務要員の服務期間は2年2か月である」
この法律通りなら、社会服務要員の服務は26か月になるのだが、同じ第30条の第4項には「社会服務要員の服務期間の計算や招集解除などに必要な事項は大統領令で決める」とも記されている。
つまり、兵役法で決められた26か月という服務期間は、大統領令によって短くすることも可能ということなのだ。
また、兵役法の第31条第4項には、「社会服務要員は出退勤による勤務となり、所属機関長の指揮と監督を受ける。ただし、出退勤による勤務が混乱したり、業務遂行の特殊性によって必要な場合は、合宿勤務も可能である」となっている。
この法律からもわかるように、原則的に社会服務要員は、自宅からの通勤が可能なのである。
ここが、兵役期間中でありながら社会服務要員が一番恵まれた点であろう、と私(康 熙奉〔カン ヒボン〕)は考えている。
もちろん、退勤後に夜の街に繰り出しても、咎(とが)められることがない。ここで、つい気が緩んでしまう人が出てしまうのだが……。
■服務の離脱には厳しい罰則がある
兵役法には厳しい戒めも記されている。
それは、第33条第1項である。
「社会服務要員が正当な事由がないのに服務を離脱した場合、その離脱日数の5倍の期間にわたって延長服務をしなければならない」
5倍というのは、相当に厳しい罰則である。それだけ、「兵役中」であるという自覚を持て、というわけなのだろう。
韓国の『中央日報』によると、江南区役所にいる66人の社会服務要員の中で、ユチョンは年次休暇と病気休暇の消化率が一番高かったという。あくまでも規定の範囲内であったようだが、印象としてはあまり良くない。
今後、様々なメディアが、ユチョンの江南区役所での勤務状況について報道を競うかもしれない。
果たして、ユチョンは残りの兵役の服務期間を、社会服務要員として全うできるのだろうか。
勤務を離脱するようなことになってしまうと、その5倍もの延長服務が課されることになる。
そうなると、兵役の終了がどんどん先送りされることになってしまうだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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