「悪いやつら」の主人公は同じ血筋の偉い人に渡りをつけ、自身の力を誇示し、事業を拡大していきます。
血筋の検察幹部に電話をかけさせて警察署長に圧力をかける場面や、ヤクザの親分が捕まったときも、この手を使って釈放させ、自身の力を誇示しました。ヤクザの親分は血筋の効用に涙します。
また、捜査官が不正を正すと「私はお前の上司の警察署長と友達だ」とすごんで、ことなきを得ます。
この映画は血筋に対する韓国人の心情を見事に描いており、時には人間関係が法よりも勝ることを物語っています。実はこの人間関係の形成にサウナが重要な役割を担っています。
サウナで商売の密談をしたりするシーンが出てきますが、なぜ真っ昼間からサウナにいるかというと、韓国のお酒文化に関係しています。韓国の付き合いはお酒なしでは進みません。それも徹底的に飲み明かしてこそ、腹を割って仲間になれるのです。韓国人はせっかちですから日本のようにじっくり時間をかけて観察しながらお付き合いをしません。
出会ったその晩に酒を浴びるほど飲んで、腹を割って一気に十年来の友になるかそうでないかを決めたがります。ですから自然と酒の量が多くなり、二日酔いになりますので、次の日は当然の如くサウナにいきアルコールを抜くのです。
昨日飲んだから今日は飲まないと言いながら、日が沈めば体は自然と酒場に向かいます。酒を抜くだけでなくサウナでは裸の付き合い(?)もできるので、韓国人と事業を成立させたいなら、その韓国人のよく通っているサウナがどこか突き止めておくことをお勧めします。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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