チョー・ヨンピル の最新ニュースまとめ
ですので、日本のように「取締役会」で社長や会長を解任するというケースはほとんどありません。全ての人事権と予算権がオーナーに集中しているので、日本の会社に見られる○○社長派、△△専務派などの派閥はありません。あったら会長が黙っていません。唯黙々と会長の指示に従い考え動く、極端な言い方ですが、役員でさえも社長級社員、専務級社員とみなされる一面を持ち合わせています。
一昔前の日本がそうであったように、韓国はオーナーの力が強いのが特徴で、サムスン、現代自動車、LG(エルジー)、SK(エスケイ)など財閥のほとんどがオーナー体制です。最近躍進しているサムスン、現代自動車などの原動力は強力なリーダーシップによる即断即決の結果です。いちいち根回しして稟議書を回していては、めまぐるしい変化についていけません。
今はオーナーシップのプラス面が出ていますが、マイナスに作用したら取り返しがつかなくなります。一九九七年のIMF経済危機がその良い例でしょう。
韓国でも二〇一六年から定年が六十歳に延びます。(早いところは二〇一五年から)けれども、韓国社会、特に大会社では四十五~五十歳までに役員になれないと、「名誉退職」という形で肩たたきにあうのが現実です。日本のサラリーマンよりも厳しい条件だと言えます。
最後に韓国のこんな風刺を。
沙悟浄(西遊記で三蔵法師のお供の一人)はサオジョンと発音しますが、「四十五定」と発音が同じで四十五歳になったら定年、肩たたきにあうたとえとして使われています。
他にも五六島オリュッド(チョー・ヨンピルが歌って大ヒットした「釜山港へ帰れ」の歌詞にも出てくる島で見え方や潮の満ち引きで五に見えたり六に見えたりする島)、オリュッドと発音し五十六歳まで会社にいたら泥棒だとのたとえもあります。それだけ定年前に圧力がかけられているということです。
※(ド)は韓国語の泥棒野郎(トドゥンノム)の頭文字。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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