彼女A選手は、日本のメジャーである日本選手権で優勝しました。Aの才能を知った父親は、自身の仕事を辞め彼女の将来にかけました。退職金を全部つぎ込み、自身はAの移動の運転手として、母親は食事を作るなど身の回りの世話をして、それこそ彼女にAll-In(全てを注ぎ込む)してプロでの成功にかけました。
親子三人で試合場を駆けずり回り、苦楽を共にして日本での成功をつかみました。ツアーへの参加費、ホテル代、交通費、キャディー代等試合に参加する費用も馬鹿にできなく、試合で賞金を稼がなければその費用は全部自己負担になり重くのしかかります。
それだけでなくツアーのシード権がないと、本選に出るために月曜日から予選会に参加しなければなりません。
本選に出たとしても予選を通過しなければ一銭ももらえない過酷なものです。テレビに映る選手は、優勝できなくても下積みの彼女らにとっては羨ましい存在です。
日本の有名な選手にも家族の応援で強くなった人はいますが、死活問題と捉えて家族の命運をかけて挑む選手は少ないと思います。その必死さは日本の比ではありません。
すべからくチャンスと見れば一点集中する韓国ならではの思い入れは、並大抵のものではありません。韓国ではAll-InとかAll or Nothingという言葉をよく使いますが、「こうと決めたらわき目もふらず全身全霊を注ぐもの」です。これはもしものために保険をかける中途半端な姿勢では勝ち残れないので、目標に向かって全力投球する、背水の陣をしいて挑むことを意味します。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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