<b>今年12月公開の『タイフーン』『無極』 両映画の主役に</b>
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映画俳優チャン・ドンゴンは今年度末、ほぼ同時に2本の映画で、全く違うキャラクターとしてファンと対面する。クァク・キョンテク監督の新作ブロックバスター『タイフーン』と、チェン・カイコー監督がメガホンを取った韓・中・日合作映画『無極』が、偶然にも今年12月、立て続けに公開されるためだ。チャン・ドンゴンは2作品とも主役を演じている。彼は、『タイフーン』には南北両方から捨てられた海賊“シン”として出演。自分の運命をゆがめた南北両方に向け、核を使った復讐を夢見るキャラクターである。チャン・ドンゴンは去る26日午後、釜山(プサン)海雲臺(ヘウンデ)グランドホテルで行われた『タイフーン』(制作:盡人事(チニンサ)フィルム)撮影現場で、強烈な眼差しを持った海賊のボス“シン”の姿を初めて公開した。
-顔の傷あとが印象的ですね。
チャン・ドンゴン(以下チャン):“独特なキャラクターの海賊・シン”を形状化するために作った傷跡です。口ひげと髪を伸ばして、体重も7kgほど落としました。また、体中に幾何学的な模様の刺青を入れました。
-シンはどんな人物ですか?もう少し紹介してください。
チャン:笑顔を失った彼は、辛い家族史を胸に抱えた、過去多き人物です。東南アジアを拠点として活動する海賊集団のボスですが、シナリオを初めて読んだ時から、映画の主人公としてはもっとも魅力的な人物だと思いました。南北両国から捨てられて家族を失い、唯一生き残った彼はロシアで売春婦をしている姉(イ・ミヨン)を想いながら、朝鮮半島全体に復讐の銃口を向けます。
◇映画『タイフーン』のワンシーン
-家族のために復讐を起こしたという点が、『ブラザーフッド』の時と似たような性格に見えるかもしれませんが。
チャン:自分の愛する人(家族)を守ろうと、世の中に向けて咆哮する荒々しい猛獣のような点は似ています。『ブラザーフッド』での、弟を生きたまま帰そうと、狂気に取りつかれた“戦闘マシーン”に変貌する劇的な演技が、多分ここでも必要になってきそうですが…。でも『ブラザーフッド』が戦争を通した兄弟愛に重点を置いている反面、『タイフーン』は、南北の若者の熾烈な対決に重点を置いています。
-日常的なキャラクターを演じてから随分経っていますね。
チャン:俳優として特異なキャラクターを演じる方がもっと楽しいです。こういう“強烈”なキャラクターは、演技が大変な分、得るものも多いんです。『チング-友へ-』以来、俳優として特定のキャラクターを選んできました。例えば、最初から最後まで強い個性で一貫する人物ではなく、映画が進むにつれ、段々強烈に変わっていく人物などです。環境の圧力や心理的な葛藤によって性格が変わる、ドラマティックなキャラクターが好きです。運命の犠牲にされる悲劇的な半ヒーローのイメージをこなすのがもっと楽しいということです。『2009ロストメモリーズ』の“坂本”もまた、普通の英雄とは違うキャラクターです。朝鮮人の父に対する羞恥心を持ったまま、歴史のミステリーを追跡する日本刑事の複雑な内面を表現しなければなりませんでした。
-『ロストメモリーズ』と『海岸線』は、色々な面で対象的です。全く違った性格の両作品を選んだ事で、(俳優として)その演技のスペクトラムを広げたと評価されましたが。
チャン:『ロストメモリーズ』は、多くの制作費を投入したSFブロックバスターを標榜し、『海岸線』は、低予算作家主義映画でした。ハリウッド俳優たちが商業映画に出演しながらも、独立映画や芸術映画にも出るように、僕も色々な映画に出演したかった。でも、この2作品とも、ドラマが強烈だという共通点がありました。僕は映画での自分の小奇麗な外見的なイメージに、正面から反旗を翻そうとしたんです。観客は、写真やテレビインタビューでの紳士的な顔とは全く違うチャン・ドンゴンを、スクリーンで体験したでしょう。僕はなるべく、自我を失くし、劇中の配役に完全に没頭できて初めて良い演技ができるような配役を選んできました。特に、手のつけようがない狂気を見せるような、非日常的な人物に、磁石のように惹きつけられます。立派な役者になるためには、人間が持つそのままの生々しい感情と欲望を探求するべきだと思います。
-『無極』についても一言お願いします。
チャン:300億ウォン(約30億円)規模のアクションファンタジーで、中国圏スターのセシリア・チャンと、日本人俳優の真田広之と共演しました。僕は伝説的な奴隷・クンルンとして登場します。撮影を控えて中国語を学びましたし、撮影現場では日射病で倒れた事もあります。
150億ウォンという莫大な制作費がかかった映画『タイフーン』は、現在75%撮影が終わっている。『タイフーン』と『無極』。これら2本の映画は、韓国を超え、既にアジア圏から関心を寄せられている作品である。俳優として最高の全盛期を謳歌しているチャン・ドンゴンが、これらの作品でどのような未来を見せてくれるか、ファンの期待が集まっている。
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