判決後、地裁前で沈痛な表情を浮かべる慰安婦被害者=25日、ソウル(聯合ニュース)
判決後、地裁前で沈痛な表情を浮かべる慰安婦被害者=25日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」で慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして在宅起訴された朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(日本語日本文学科)に25日、無罪判決が言い渡されたことについて、慰安婦被害者らは怒りをあらわにした。一方、朴氏は判決に満足を示した。 朴氏は著書で慰安婦について「売春」「(旧)日本軍と同志的関係」などと記述し、日本による強制連行はなかったと虚偽を記したとして、慰安婦被害者の名誉を傷つけた罪に問われていた。 裁判を傍聴していた慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは無罪が宣告されると立ち上がり、裁判官に対して「法はないのか」「有罪なのに、これはいけない」などと声を上げて抗議した。朴氏に対しては「(日本の肩を持つ)親日派」と罵倒した。 李さんは判決後、記者団に対し「工場に連れていくと言っておいて工場に送らず、性奴隷にしたのならば責任を取るべきだ」などと述べ、判決を批判した。 慰安婦被害者の代理人を務める梁承奉(ヤン・スンボン)弁護士は「理解できない判決」とした上で、「控訴することになれば時間をかけて分析し、さらに努力する。裁判所が本に対する理解が不足しているようだ」と話した。 論告求刑公判では検察が懲役3年を求刑して衝撃を受けた様子を見せた朴氏はこの日の無罪判決には喜びを隠さず、明るく笑って弁護士と抱擁した。 朴氏は裁判後、「名判決だったと考える」とした上で、「合理的に(裁判を)進めてくれた裁判官に感謝する」と話した。また「私が争ってきた相手は被害者のおばあさんではなく、基本的には支援団体、そして支援団体を取り巻く学会やメディア、政治など数多くの力」と強調。その上で、「個人として敵対するにはあまりに厳しかったが、裁判官が正確に判断し感謝する」と話した。 判決結果に関しては、「私の裁判は韓国のいろいろな問題が凝縮されたものだと考えてきたが、きょうの結果が新たな社会に向けた転換点になるのではないかと思う」と評価した。 慰安婦被害者が無罪判決を批判したことについては、「私が時間をかけて説明すれば理解してくれると思う」と話した。
Copyright 2017(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0