2014年に韓国の新たな演劇が生まれる場所と言われる大学路(テハンノ)で初演された後、2015年、2016年に再演、2017年に日本で初上演され、このたび、2月20日(火)から東京・新宿シアターモリエールにて初の日本語公演が上演される。
SNUPER の最新ニュースまとめ
カング役はキム・ヨンソク(CROSS GENE)、ミンス、キム・ナムホがトリプルキャストで、ヘギ役はテウン(SNUPER)とインジュンがWキャストで演じる。開幕に先駆けて行われた制作発表会では、作品への熱い思いを語り、絶妙なチームワークを見せていたキャストたち。制作発表会が終わった後、カング役のミンス、ヘギ役のテウンに話を聞いた。
<B>―テウンさんはミュージカル初出演となりますが、出演が決まってから、「SNUPER」のメンバーはどんな反応でしたか?</b>
テウン:「お前が?できるの?」って最初は冗談っぽく、からかっていましたが、グループの中では僕が初めてミュージカルに出演するから、いまは「頑張って『SNUPER』をもっと広めてね」と応援してくれています。
<B>―「SNUPER」のほかのメンバーたちも、機会があったらミュージカルに出演したいという考えは?</b>
テウン:もちろん、機会があれば、みんな出演したいと思っています。だから、今回の僕の出演はとても大事です。僕がスタートを切るわけですから。メンバーたちにつなげるように頑張って、希望を与えたいです!
<B>―ミンスさんは「いつだって最高の友達」で舞台デビューしましたが、ミュージカルは今回が初めてですよね。前回とは気分的に何か違いますか?</b>
ミンス:僕、元々グループ(BEE SHUFFLE)の中で、テウンもそうですけど、ボーカルではなく、ラップ担当で、5年ぐらいやってきたんですけど、皆さんの前であんまり歌を歌ったことがないんですね(笑)。それで、ミュージカルって聞いたとき、できるかなって思いました。でも、人生は1度しかないし、やってみようって。僕は自分で、歌がヘタくそだと思っていたんですけど、みんなが「大丈夫じゃん。もうちょっと頑張ったら大丈夫になるよ」って言ってくれるから、いまめっちゃ歌の練習をしていて、ミュージカルへの出演を決めて良かったなって思っています。
<B>―元「BEE SHUFFLE」のメンバーたちはラップ担当だったミンスさんがミュージカル出演ということで、驚いていましたか?</b>
ミンス:俺にはあんまり、興味がないんです(笑)。いまギュミンと一緒に住んでいるんですけど、「えっ、兄貴ミュージカルやるの?どんな作品なの?」って言うから、「面白いし、感動もあるし、めっちゃいい作品だよ」って答えたら、「頑張れ~」って。でも、「見に来るよね?」って聞いたら、「時間あったら行くね。僕たち忙しいから」って。「ふざけんじゃねーよ!」って言いました(笑)。でも、この前もソウルで、みんなで会って話をしたんですけど、「こういうミュージカルやるから緊張するよ」って言ったら、ジュノもギュミンも「大丈夫だよ、お前なら」「兄貴なら大丈夫ですよ」って言ってくれたから、仲間の応援がすごくうれしかったです。
<B>―厚い友情ですね。</b>
ミンス:付き合いがすごく長いんですよ、僕たちは。あ、涙出てきそう……。
テウン:ダメですよ。
<B>―ミンスさんは制作発表会でも、もらい泣きをしていましたが、涙腺がゆるいんですか?</b>
ミンス:キュンと来たら泣きますね。一番泣くのがお母さんのこと、次がメンバーのことって感じで。思い出がたくさんあるから、それが僕にとって、涙が出るツボです。メンバーの話をするときは、いつもウルウルしますね。本当に大好きなんで。
<B>―じゃあ、今回は見に来てくれるでしょう。</b>
ミンス:分からないですよ~(笑)。電話してみますね。
<B>―2人ともミュージカルは初めてですが、ミュージカルの楽しさってどういう部分だと感じていますか?</b>
ミンス:歌ですね。ナムホさんに聞いたんですけど、ミュージカルの歌は、「歌だけど、歌ではないよ。一番自分がこれを強く言いたい、話したいことを集めたのがその歌になっているんだよ。だから、自分のセリフだと思って歌ってね」って。それをきのう聞いて、僕ショックを受けたんですよ。なんで、俺はそれを知らなかったんだろうって。そしたら、「当たり前だよ、僕は15年ぐらいやっているんだから」って。「なんでカングがここでこんなことをするのか、それを考えながらやったほうがいいよ」ってアドバイスをしてくれたんで、なんでその歌を歌うのか、歌詞に集中して練習しています。
テウン:僕もやっぱりミュージカルといえば、歌が大事だと思います。そして、その歌の中で、感情を表現するのがミュージカルの楽しさだと思います。そして、振付もあるし、演技もあるし、見どころがたくさんあるから、ギフトセットみたいな、それがミュージカルの面白さじゃないかと思います。
<B>―では、反対にミュージカルの難しさは?</b>
テウン:歌で、その感情を表現するのが、僕にとっては一番難しいです。
ミンス:いや~、舞台だと歌もないし、カットカットじゃなくて、スムーズにいくんですよ。でも、ミュージカルって、いきなり踊るし、話すし、みんなとワイワイするし、それで演技入るし、泣いたり、それが難しい。そのやり取りをどうすればいいかなって。自分が一番心配なのは歌ですね。いままで歌は、メインボーカルが歌っていたんで。それが悔しい。俺やっておけばよかったなって(笑)。
<B>―でも、歌に関してはナムホさんから、いいアドバイスをもらっているじゃないですか。</b>
ミンス:いつも深夜4時まで、ハーモニーの練習をしているんですよ。できないから。兄貴はずっと「はぁ~」ってため息。それで「すみませんって」って(笑)。でも、根気強く教えてくれるんで、頑張っています。
<B>―テウンさんはヘギ役で、インジュンさんとのWキャストになりますが、インジュンさんとは役について話したりしているんですか?</b>
テウン:そうですね。相談したり、自分が見逃していた部分とかを教えてもらったり。僕よりインジュンさんのほうが、日本語が上手だから、インジュンさんの演技を見て、いろんなことを勉強しています。
<B>―ヘギ役を演じるにあたって、インジュンさんとはどうやって違いを出そうと思っていますか?</b>
テウン:僕はもっと感情的に表現したいと思っています。
<B>―ミンスさんはカング役、ほかの2人とどういう違いを出そうと思っていますか?</b>
ミンス:いや~、ヨンソクも僕もまだ初心者のレベルなんで、いつもナムホさんの演技を見て、感じるものがあるんですけど、「これが演技なんだぁ。あ~、俺はいままで何をしていたんだろう」って。きのうも、稽古で最初の歌を歌ったとき。
テウン:泣いちゃった。
ミンス:ナムホさんが泣くから、なんでだろうって考えたんですよ。僕はその歌で、泣かなかったから。それがショックで、「なんで泣くの?」ってきょう朝7時まで考えていたんです。深夜2時に稽古が終わって、一緒に帰るとき、コンビニでおでんを食べながら、なんでカングはこんな感情をするのかって話をしたんですよ。ナムホさんが「本当のカングの気持ちでやりたい」って言うから、「あ~、そうなんですか。そしたら僕は」って言ったら、「僕はじゃなくて、本当のカングになればいいんだよ」って。自分が何を見せるじゃなくて、本当のカングになればいいって教えてもらって、そのせいで、寝られなかったんです。すごく難しいじゃないですか。ただセリフを覚えるだけじゃなくて、本当のカングが何を考えているのか、それをもっと勉強しないと、と思って。朝7時まで台本を読んだのに、眠くならなくて。でも、いったん寝ないと、きょう取材ができないと思って、7時に寝たんですけど。ま、もう1回最初から台本を読みこもうと思っていますね。
<B>―制作発表会でも、ミンスさんは「本番で見せます」と言っていましたが、そういうことですね。</b>
ミンス:本番で見せるしかないです。
<B>―それぞれ役に共感できる部分、自分と似ている部分というと?</b>
テウン:僕はガンにかかったヘギを理解したくて、本当にいろんなことを調べて、その感情を理解しようと頑張っています。そして、ヘギはとてもピュアな子なんですけど、自分で言うのはちょっと恥ずかしいですが、まだピュアだと思います(笑)。
ミンス:合ってるよ。完ぺき。
テウン:それで、そのピュアな部分がちょっとヘギと似ているかなって。
ミンス:僕は、カングって本当に大切なのは何かを知っているじゃないですか。ヘギに教えてもらって。その思い出とかが、自分とちょっと似ているなって思いました。昔中学生の頃、運動をやっていたとき、強く見せるのが、一番カッコいいと思っていたんですよ。でもそれはカッコいいんじゃなくて、かわいそうな人だったなって。そんな強く見せなくてもよかったのに、強く見せなきゃって感じになったカングと似ているなって。いま、昔の友達と会って話すと、当時なんで強がっていたのか、恥ずかしいぐらいです。その感情が、カングとちょっと似ているなって思います。
<B>―今回はバディミュージカルで、日によって、いろんな組み合わせができますが、ミンスさんとテウンさんの組み合わせは、どのような部分が魅力でしょうか?</b>
ミンス:俺はカングだから、この純粋な人をぶっ飛ばすって感じでやるしかないですね。つかむときは、めっちゃ強くつかんで。
テウン:痛いよ~(笑)。
ミンス:ハハハ。演技だから。
テウン:僕から見ると、3人のカングがちょっとずつ違うんです。ミンスさんは、声とかめっちゃカッコよくて、本当の不良みたいで。
ミンス:ハハハハハ。
テウン:すみませ~ん(笑)。
ミンス:いいよ、いいよ、大丈夫だよ。
テウン:本当の不良みたいなカングを見て、なんか怖いとか、カングと一緒にこのバケットリストをやりたい、という感情をしっかり出せるように、ミンスさんと一生懸命練習して、本番では2人ならではのケミストリーを起こせる公演をお見せしたいです。
<B>―ミンスさんは釜山(プサン)出身だから、韓国語で話すときは釜山の方言が出ますよね。</b>
ミンス:そうです。だから、怖いって言うんです。本当はすごく優しいんですけど(笑)。
<B>―カングとまではいかなくても、不良っぽい時期などはなかったですか?</b>
ミンス:なくもないというか。ん~、(とぼけたように)そんなときあったかな?って感じ(笑)。
<B>―今回カング役にぴったりで、いいじゃないですか。</b>
ミンス:いや~、でも演技がまだ足りていないんで、そこが。だから、頑張っています。
<B>―今回は2人芝居だから、セリフの量も多そうですが。</b>
テウン:多いです。
ミンス:こんなにセリフが多い台本は初めて見ました。
<B>―セリフはどこでどうやって覚えているんですか?</b>
テウン:宿舎とか会社の練習室で、ずっと読んで、少しずつ覚えています。でも、インジュンさんとヨンソクさんは、覚えが早くて、機械みたいです。どうしたら、できるのか。
ミンス:ナムホさんと僕とテウンが、うわ~スゲーなって。僕は外で歩きながら覚えています。今回、台本が100ページですよ!それをきょうは20ページまでやろうとか決めて。自然が大好きだから、外に出て練習しているんですけど、1人でぶつぶつ言っているから、周りの人が、変な目で見るんですけど、自分はそのやり方で覚えているから、そうするしかない。あと、めっちゃうるさいカフェにも行ったりします。そこだと、集中できるんで、セリフを覚えるにはいいですね。
<B>―稽古をやっていて、辛いなと思うことはありますか?</b>
テウン:僕はいつもストレスをいっぱいもらっていますけど、このストレスはとてもいいストレスだと思います。だから、一生懸命台本を読みながら、頑張っています。大丈夫です。皆さんにいい姿をお見せしたいですから。
<B>―どういう部分がストレスになるんですか?</b>
テウン:やっぱり日本語のイントネーション。韓国語は最後の音がちょっと高くなるんですよ。
ミンス:違うよ。釜山弁は!韓国語って言わないで、標準語って言って!
テウン:ハハハ。韓国の標準語はちょっと上がるんですが、日本語は最後の音が下がるから、それが難しいです。感情を入れてセリフを言うと、最後の音が上がっちゃうから、そのストレスをいっぱいもらっています。でも、これは僕にとっての宿題だから頑張ります。
ミンス:この作品が終わったら、日本語めっちゃ上手くなっていると思うよ、マジで。
テウン:ありがとうございます。僕は初めてみんなに会ったとき、とてもビックリしました。こんなに日本語が上手い人たちと作品をやるのかと、自分が小さくなりました。
ミンス:ちゃんと俺たちのこと調べてきてよ。日本の先輩なんだよ!(笑)
テウン:ハイ、先輩ですね。
<B>―今回のキャストでは、テウンさんは可愛い末っ子という感じですね。</b>
ミンス:めっちゃ可愛いですよ。本当に可愛い。僕たち先輩じゃないですか。だから、テウンは前で笑えないから、いつも後ろで、ずっと「へへへ」って。「お前、何で笑ってんだよ」って言うと、笑いながら逃げたりして、めっちゃ可愛いですよ。さっきも、一緒に楽屋にいたとき、ナムホさんとか、「CROSS GENE」、「大国男児」とかみんながグループ活動していたときの動画を見ながら、後ろでずっと笑っていたんですよ。
<B>―皆さんの若い頃の動画だったとか?</b>
テウン:ハイ、若いときの。いまも若いんですけど。
ミンス:若いよ!まだ25年しか経っていないよ(笑)。
<B>―皆さん、仲がいいから稽古場の雰囲気も楽しそうですね。</b>
テウン:ハイ、毎日。
ミンス:でも、こんなに仲の良い稽古場はないですよ。正直、みんなストレスだし、そういうときって、僕もそうなんですけど、1人でいたいじゃないですか。だけど、今回はキャストのみんなと一緒に住みたいなって思って、宿舎に行ったんです。
<B>―キャストの皆さんが生活している宿舎に?</b>
ミンス:そう。自分の家があるんですけど、みんなが「お前、来ないの?」って誘ってくれたんで、「じゃあ、行くわ」って。だから、一緒に寝て、食べて、一緒に演技して、歌って。みんなと一緒にいるのが幸せだなって感じています。
<B>―すごいですね。24時間一緒ってことですよね?</b>
ミンス:完全に24時間一緒ですね。だいたい稽古が昼12時ぐらいに始まって、夜8時ぐらいに終わるんですよ。それから、テウンだけは宿舎が違うから、「テウン、気を付けて」ってバイバイして、その後は4人でずっと話しているんですけど、台本の話しかしないですね。ヤバイっすよ。だから、頭が痛いです(笑)。でも、それぐらい本気です。
<B>―ストレスを発散したいときはどうするんですか?</b>
ミンス:歌っていますね。
テウン:(カングは)ロッカーだから。僕はストレスを受けたら、すぐ寝ます。寝たら、どんな考えもしなくていいから。
ミンス:いいな~。俺は寝られないんだよ、心配が多くて(笑)。
<B>―いまインフルエンザが流行っていますが、体調管理などはどうですか?</b>
テウン:ビタミン剤を毎日飲んでいるのと、日本の宿舎に加湿器がないから、濡れたタオルをかけています。
ミンス:(テウンの事務所スタッフに)買ってくださいよ、こんなに頑張っているじゃないですか(笑)。
テウン:ありがとうございます。そして、毎日、鼻の通りをよくしています。そうすると、風邪を引かないんですよ。
ミンス:それ、めちゃいいんですよ。僕もしています。あと、僕は寝る前に絶対マスク。外に出るときと、歌の練習が終わった後と、寝るときもマスクをして。のどを壊したら、歌の練習ができないから、怖くてずっとマスクをしています。でも、インフルエンザとかかかったことないから。
テウン:強いですから。
ミンス:7年日本にいるけど、1回もかかったことない。
テウン:いま韓国めっちゃ寒いですから、いまの日本は僕にとって、あんまり寒くないです。
ミンス:なんなら、この衣装でも外に出られますよ(笑)。
テウン:僕が日本に来たとき、韓国はマイナス17度、18度とか。
ミンス:死ぬかと思ったよ、俺。
テウン:なんか外に出たら、心臓が痛くなるような寒さで。でも、日本に来たとき「あっ、春?暖か~い」って思いました(笑)。
<B>―2人とも元気なんですね。</b>
テウン:ハイ、元気です!
ミンス:あ、そうだ!風邪をひかないために一番いいのは、裸で寝ることです!
<B>―でも、ミンスさんはいまキャストの皆さんと生活しているんですよね?</b>
ミンス:だから、いまはパンツ1枚で寝ています(笑)。ネットで調べたんですけど、めっちゃいいんですよ。血液循環が良くなって。だから、元気なんですよ。3時間しか寝ていないのに(笑)。
<B>―うわ~、3時間ですか。テウンさんは何時間寝るんですか?</b>
テウン:僕は7時間ぐらい(笑)。
ミンス:大事だよ。僕は寝られないんだよ。羨ましい~。
テウン:僕は夜3時まで台本を読んで、寝ます。それで、朝10時に起きて、稽古に行くんで、たぶん7時間ぐらい寝ています。
<B>―「マイ・バケットリスト」にちなんで、ことし絶対にしたいことを教えてください。</b>
テウン:僕は本当にヨーロッパ旅行に行きたいです。お金をたくさん貯めて、1人で。なんか、去年イギリスに行きましたが、めっちゃ新しい世界でした。それで、世界は広いなぁと思って。もっといろんなことを経験したいです。
ミンス:ことしはもっとドラマとか舞台とか、役者の仕事を頑張りたいです。あと、アメリカに行きたいなと思っていて。こんなに世界は広いのに。
テウン:そうそう。
ミンス:俺、ヨーロッパには行ってきたんですよ。アジアも全部行ったけど、アメリカは自分のアメリカンドリームがあるから、最後に残していて。いつか自分の力で行く、というのが僕の目標です。
インタビューは、ほぼ日本語での受け答えだったが、たまにテウンが言葉につまったりすると、ミンスが「韓国語で話していいよ。俺が通訳するから、任せろ」とフォロー。そんな男気を見せるミンスの話を、テウンはすごく良いリアクションをしながら、ずっとニコニコして聞き、本当に仲の良い兄貴と弟、という感じだった2人。
ミンスは取材中も、ちょっとでも時間があると歌い始め、テウンも歌と日本語のイントネーションを毎日練習していると話し、今回のミュージカルにかける熱い思いが伝わってきた。本気で挑む彼らの姿を、ぜひ括目してほしい。
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