アジア中の視線が注がれている映画『四月の雪』(主演:ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン/監督:ホ・ジノ)。9月17日からの全国ロードショーを控え、8月31日には、さいたま市さいたまスーパーアリーナで、一大イベント<『四月の雪』公開記念イベント APRIL SNOW -再会―>が開催された。

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2万5000人のファンが集まったこの史上最大のイベントは、全席指定であるにもかかわらず、午前7時から行列ができるほどの盛況ぶり。オープニングで主演のペ・ヨンジュンとソン・イェジン、ホ・ジノ監督から一言ずつ挨拶があると、一気に会場が盛り上がった。

イベントには、作品にも登場した韓国のトップアーティスト、LOVE HOLIC(ラブホリック)、ウ・ソンミン、S(シン・ヘソン、KANGTA、イ・ジフン)のミニ・ライブも行われ、ペ・ヨンジュンが映画の設定と同じくコンサート照明技師として登場すると、会場は興奮の渦に。

また、ペ・ヨンジュン、ソン・イェジンのファンとのQ&Aも行われ、ラストは音楽プロデューサーのチョ・ソンウも交えて、金聖響指揮の東京フィルハーモニー交響楽団による格調高いオーケストラがグランド・フィナーレを飾った。

このイベントでは、600人が警備にあたり、チケットを入手できなかった3000人のファンが会場を取り巻くなど、さいたま新都心は『四月の雪』一色に染まった。

また、同日午後6時半からさいたまスーパーアリーナ展示スペースで行われた懇親会には、主演のペ・ヨンジュン、ソン・イェジンと監督であるホ・ジノ監督が登場。

公開イベントを無事に終え、幾分リラックスした様子だったペ・ヨンジュンは、全身を黒一色でシンプルにまとめ、ソン・イェジンは淡いピンクと黒のワンピースと左胸元に花のモチーフをつけた黒のジャケットを、ホ・ジノ監督はトレードマークである黒のジャケットとブルージーンズで取材陣の前に姿を現した。
約3分間のフォトセッションの時間を設けたあと、それぞれ一言ずつ挨拶を行った。

ホ・ジュノ監督:こんばんは。『四月の雪』監督のホ・ジュノです。映画『四月の雪』に関心を持ってくださって本当にありがとうございます。そしてこれからも『四月の雪』にたくさんの関心を持ってくださることをお願い申し上げます。ありがとうございます。

ペ・ヨンジュン:こんばんは、ペ・ヨンジュンです。映画『四月の雪』にたくさんの関心を持ってくださってありがとうございます。今日は皆さんのおかげで、本当に大切な思い出を作ることができました。これからもベストを尽くす姿をみなさんにお見せできるようにがんばります。皆さんが健康で、そして幸せであることを願います。

ソン・イェジン:こんばんは、ソン・イェジンです。今日はとても素敵なイベントに参加できて本当に幸せでした。一緒に過ごしたファンの皆さんもきっと同じ思いだったと思います。そして日本に来てインタビューを受けながら皆さんの期待がとても大きいということを肌で実感することができます。これからも、日本でも韓国でも、皆さんの期待に添えるような素敵な女優になるようにがんばります。今日は本当にありがとうございました。


3人の挨拶のあと、映画の成功を願って乾杯の音頭が行われ、ペ・ヨンジュンとホ・ジュノ監督がグラスを一気に空にし、そんな3人を見ていたソン・イェジンがお酒をあまり飲めず困った表情をのぞかせたりと和やかな様子。
その後ゲストの3人は退場したが、そのわずかな間にも記者に囲まれプレゼントを渡されたり握手を求められるなど、ここでもやはり、高い人気ぶりを見せていた。

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<b>『四月の雪』は、ペ・ヨンジュンのための映画?</b>

アジア代表スター“ヨン様”ペ・ヨンジュンの威力は実にたいしたものだった。
先月23日、彼の新作映画『四月の雪』(監督:ホ・ジノ/制作:ブルーストーム)が、マスコミを対象に初公開された日。イベント会場には日本、台湾、香港など、アジア全域から到着した1000人以上のファンが、国内外の取材陣で、押すな押すなの盛況となった。

特に、主人公ペ・ヨンジュンとソン・イェジンが、舞台挨拶のために上映館前を現したとたん、一度に集まった人波に、一瞬でフォトラインが崩れ、場内は大混乱となり入場が3~4分遅れるというハプニングが起こった。

トップスター級のソン・イェジンも、この日ばかりはペ・ヨンジュンへの質問攻勢に、30分ばかり沈黙を守り、ペ・ヨンジュンの恋人として慎ましく立っていた。

このように高まる期待の中で公開された映画『四月の雪』の国内外マスコミの反応は、大きく食い違っている。外信とアジアファンの“賞賛”混じりの声と違い、韓国内マスコミからは、果たして国内で韓流効果が望めるかどうか未知数という評。

映画を観た一部関係者は、「国内向けでなく、韓流を意識して制作された、企画商品の感を消すことができない」と口を揃えており、賛否半々であった。
輸出用企画商品と呼ばれる第一の理由は、『四月の雪』が、韓流熱風の革となる人々が意気投合し、力を入れて生み出した作品という点である。
代表的な韓流スターであるペ・ヨンジュンだけでなく、ソン・イェジンも先頃、日本でモバイル写真集をリリースし、認知度を高めており、メガホンを取ったホ監督もやはり、『8月のクリスマス』で日本国内興行性が認められている人物だからだ。

その努力に力を得て、総制作費65億のうち、日本側に販売された500万ドル以上の版権料だけでも、公開前に制作コストの大部分を公開前に回収したといわれている。

なおかつ、映画は今日の“ヨン様”を作った『冬のソナタ』を連想させる、彼のハンサムなルックスと柔らかな微笑み、胸がジンとなる純愛調でスクリーンいっぱいに魅力を振りまき、観客の心の琴線に触れる。

また、内容が上手く伝わらないという理由で、『外出』というタイトルを、海外向けに『April Snow』に変更して広報を行ったことも、見逃せないポイントである。胸の締め付けられる恋・・・アンサンブルのように降る白い雪・・・『冬のソナタ』でさんざん目にした設定ではないだろうか。

そうかと思えば、また逢える日を指折り数えて待っていたペ・ヨンジュンが激しく殴られ、血を流しながら泣き崩れるだとか、何やら大声で歌いながら服まで脱ぎ捨てる突飛な行動を披露するなど、日本ファンへの特別ボーナスも用意されている。

作品中、「主婦がどれほど大変なものか」とあいづちを打り、“人妻”ソン・イェジンを優しく慰めるペ・ヨンジュンと、作品外でファンを“家族”と称し、熱い関心に感謝を現すペ・ヨンジュンは、一様の礼儀正しさで日本中年女性の心を捕らえる。
映画を貫く核心素材である不倫も、30~40代の女性客をターゲットにしたテレビドラマにありがちなコードだ。

ここまできたら、『四月の雪』は、10代のアイドルが登場する、いわゆる“熱烈ファン”と呼ばれる人々を狙って用意された、他の単発企画商品的性格と延長線上に置かれていることがわかる。

もちろん、名高いなホ監督の纎細な演出力は変らず、映画のあちこちに時折登場し、その真価を発揮している。
しかし、俳優に劣らず注目されているスター監督として、スタイルやナレーティブの発展はなく、韓流に便乗して俳優のイメージを拡大再生産する手助けをしたという非難の声も聞こえてくる。

これは決して、国内市場を越えアジアで、またヨーロッパや米洲地域まで韓国映画を伝えるペ・ヨンジュンと『四月の雪』の、隠れた功労を貶めようという意図ではない。
ただ、ホ監督の前作『春の日は過ぎゆく』を通じ、愛の痛みに共感した者として、できあいの粗悪品といった感はぬぐえない映画『四月の雪』に、少々残念さが残るのは確かだ。

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