左から金富謙氏、李洛淵氏、黄教安氏、呉世勲氏=(聯合ニュースTV)
左から金富謙氏、李洛淵氏、黄教安氏、呉世勲氏=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国で15日に実施される総選挙の結果は、約2年後の次期大統領選挙への出馬が取り沙汰される政治家らの明暗を分ける見通しだ。総選挙後に2022年の大統領選レースが徐々に動き出すと見込まれるなか、当選を果たせば大統領選への歩みに弾みがつく一方、苦杯をなめることになれば急ブレーキがかかりそうだ。

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 最も関心を集める2人の候補が、これまで大物政治家を輩出し「政治1番地」と呼ばれるソウル市鍾路区の選挙区で議席を争う進歩(革新)系与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナクヨン)候補と保守系最大野党「未来統合党」の黄教安(ファン・ギョアン)候補だ。

 前首相の李氏と党代表の黄氏は次期大統領選への出馬が予想される政治家の支持率調査で1、2位を争っているだけに、総選挙での対決は大統領選の前哨戦ともいえる。

 直近の世論調査結果や各党の情勢分析によると、李氏が黄氏をリードしているとみられ、勢いに乗った李氏が総選挙で勝利を収めれば、共に民主党の有力な大統領選候補としての地位を固められそうだ。逆に、敗北すれば大統領選に向けた歩みに急ブレーキがかかり、与党内のほかの潜在的候補たちの挑戦を受けることになる見通しだ。

 一方の黄氏が李氏を破って当選すれば、選挙戦での劣勢を乗り越え逆転勝ちを果たしたことになり、保守陣営の最も有力な大統領選候補に浮上する。だが、敗北した場合、未来統合党の総選挙の勝敗によっては党代表のポストまで危うくなりかねないとも予想される。

 保守の地盤である南東部・大邱市寿城区甲の選挙区で再選を目指す共に民主党の金富謙(キム・ブギョム)候補も、総選挙の結果で政治家としての存在感に変化が出そうだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権で行政安全部長官を務めた金氏は、総選挙の出陣式で大統領選に挑む意思を表明したが、同じ選挙区で対決する未来統合党の朱豪英(チュ・ホヨン)候補の勢いは侮れず、結果は予断を許さない。

 また、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が5回当選を果たした共に民主党の牙城、ソウル市広津区乙の選挙区に挑む未来統合党の呉世勲(オ・セフン)候補は、勝利すれば2011年に学校給食無料化を巡る住民投票の不成立を受けてソウル市長を辞任して以来、9年近くの政治的空白を一気に埋められる見通しだ。保守陣営の有力な大統領選候補に浮上することも期待できる。

 ただ、共に民主党は広津区乙で、青瓦台(大統領府)の前報道官で新人の高ミン廷(コ・ミンジョン)候補を当選させるため総力を挙げており、勝負の行方は予測し難い。


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