こんな格好だったら、道を歩いていても彼がクォン・サンウ(29)だと気づかないだろう。ボサボサの頭に無精ひげ、適当に身にまとった服。ところで実際、最近のクォン・サンウはこのような姿である。去る4月から。映画『美しき野獣』(監督:キム・ソンス/制作:ポップコーンフィルム)ためである。

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8月25日盆唐(プンダン)、『美しき野獣』の撮影現場で会ったクォン・サンウは、これまで見てきた美男スターのイメージとはあまりにもかけ離れていた。制作スタッフ同士で、「これでCMの仕事減ったりして」などと冗談を言ったりするほど。しかし、クォン・サンウはいつよりも幸せそうに見えた。やりたい芝居と変身を、意気込んでやっているからである。彼は今回の作品で“スター”であるよりは“演技者”としての地位を築く覚悟である。だから挑戦が楽しいし、幸せなのだ。

<b>▲爆発する野獣</b>
 アクションノワール『美しき野獣』で彼は、言葉よりも拳が先立つ強力系刑事を演じる。男性美と悲壮美を漂わせるキャラクターだ。

「撮影が進みながら、だんだんキャラクターに溶け込んでいっています。僕がこのキャラクターをなんとしてでもキャッチしなければ、と思います。もとの性格も、悪いことには即爆発させ、すぐに忘れるタイプなんですが、劇中キャラクターと似ているところが多い」

クォン・サンウは、『美しき野獣』を演じながら、一つ宣言をした。スタントなしですべてのアクションをやるというのである。だとしたら、アクションが比較的楽なものだということなのか?いいや、決してそうではない。高難度のアクションが連なっているのだが、彼はこれらのアクションをすべて自ら行うと、わがまま(?)をいう。

「バスから飛び降りるシーンもあります。今よりも今後の撮影分で危険なシーンが多いので、しっかりしないとダメなんです。カーチェイスシーンで、危険過ぎる部分を除いては、全部自分でやろうと思います」

キム・ソンス監督は「監督の立場からはやめさせたいが、クォン・サンウの意思は非常に強い。主演俳優がケガでもしたら、大変じゃないですか。しかし、自らアクションをやってくれるおかげで、代役をつかってニセモノをつくる必要がないので、結果的に非常によい映像ができている」と明らかにした。

韓国と日本を虜にしたドラマ『天国の階段』での貴公子が、身を挺して駆け回っているのである。

それでも、大変な時もある。

「アクションシーン後、後遺症が結構長引くタイプです。じん帯も切っちゃったし…今も正直言って、具合がよくありません。でも、できる限り直接ぶつかって行きたい」

<b>▲身相応の変身</b>
アクションは大変だが、反対にいいことが一つある。デビュー後、初めて外見を気使わずにすんでいるのだ。
「この映画みたいに外見を気にしないのは始めて(笑)。とても楽ですね。朝、頭を洗って歯を磨いて出てくればそれでOK」

ところでこれに対し、『美しき野獣』で共演するユ・ジテは、「(気を使わないと言っているけど)『美しき野獣』で、クォン・サンウさんの顔はこれまでの中で最もカッコよく見えますよ」とおだてる。

『美しき野獣』は、このように始終端正でクリーンなイメージを固守してきたクォン・サンウに、色々と大々的な変身を敢行させた。

「最近、引越ししたんですが、荷物の中から、『火山高』『マルチュク青春通り』のDVDを発見しました。2つともカバーに僕が制服姿で出ていました。コンプレックスとまでは言いませんが、こういうイメージがこれまで札のようについてまわっていたんだと思います」
そのせいか、彼は劇中、洗顔もしていないような顔で登場するシーンが多い。

「俳優が変身しても、本人に合わないような変身は、むしろ避けられる可能性もある。だけど、僕ががんばって実現できる範囲の中での変身はやり遂げたい」
彼は『美しき野獣』で、演技面で大きく成長できることを望んでいる。

「演技派スターとの違いは、一つの作品で決まると思います。この映画を撮影していると、俳優としての大きな欲がどんどん生じてくる。『美しき野獣』を含め、今後2~3本を観てほしい。演技面で成長するため、努力します」

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