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昨年11月6日に第1話がスタートした『思いっきりハイキック!』は、漢方院の医師イ・スンジェをはじめとする家族3代の構成員とその周辺人物たちが、毎回独特な個性を披露してぶつかり合い、視聴者に笑いを与えた。彼らが見せた多少大げさな演技は、日々ギリギリな生活をして大統領選挙を控え、泥試合のような政治戦争に疲れた視聴者に、“疲労回復剤”のような役割を果たした。『思いっきりハイキック!』は、笑いだけでなく変化する世相と人間関係の中で表れる痛みも表現し、会社員、主婦、学生全てが、「私の境遇と同じだ」という共感を与えたという評価を得ている。最終回に向かって疾走している『思いっきりハイキック!』を決算してみる。
<b>◆人気の秘密は?</b>
前作の『順風産婦人科』『ちょっとやそっとじゃやつらは防げない』のキム・ビョンウクPDの作品が常にそうであったように、『思いっきりハイキック!』もまた、大学生などの特定階層を狙わず、誰もが視聴できる家族シットコムで“大衆性”を確保した。ここに主演・助演を隔てず“適材適所”に配置されたキャラクターたちの相性もピッタリだったという分析だ。
世俗的な権威を重視し、金が好きな漢方医役のイ・スンジェは、ドラマの中心軸として厳格なイメージを脱ぎ捨て、完全に壊れた(?)姿で視聴者に近付いた。アダルト動画をこっそり見たのがばれて、みっともない年寄りに転落する侮辱(?)も拒まなかった。彼の熱演に視聴者は、“ヤドン(AV動画)スンジェ”という愛称をつけ、親しみやすさを示した。特に『思いっきりハイキック!』は、『順風産婦人科』のオ・ジミョン、『ちょっとやそっとじゃやつらは防げない』でのシングが演じた役のように、謹厳なベテラン俳優を見境のない老人に仕立てあげ、視聴者たちに気軽にドラマの楽しさを満喫させる、キム・ビョンウク式シットコムの特徴が、そのまま表れている作品という評価だ。
また、常に夫(イ・スンジェ)には無視され、姑としての威厳はゼロでしっかり者の嫁にやられっぱなしの祖母ムニ、いつも自信に満ち溢れているヘミ、兄弟だが対照的なミノとユノなど、変化する世相の中で権威を失っていく家長の寂しさ、夫と嫁に敷かれている姑、現代の優秀な嫁、新世代式の恋愛法、若者の悩みなどを上手く絡め、共感を広めた。
1997年の青春シットコム『男女6人恋物語』を演出したケーブルチャンネルtvNソン・チャンウィ代表は、「家族3代が登場するホームドラマで、年齢に関係なく皆が見られる上に、核家族が蔓延した環境で祖父・父親・息子といった人物の喜怒哀楽を的確に表現した」「ベテラン俳優の安定した演技力を中心に、可能性のある新人たちを起用してうまく配役を当てはめたし、俳優たちの個性を最大限に活かして発揮できるようにしたのが功を奏した」と分析した。
<b>◆ヒットが残したものは?</b>
“ヤドンスンジェ”をはじめ“OKヘミ”“ワイルドミニョン”“うさぎミンジョン”“熱勉(熱心に勉強しなさいの略)ミノ”“ボケユミ”“怪物ジュナ”など、出演者全員がニックネームを得て大きな話題になった。彼らの人気はCMにまでつながった。ベテラン俳優イ・スンジェは7社、青春スターチョン・イルは5社のCMに出演するなど、出演陣全員が1人、または複数でCMモデルに変身を遂げた。彼らが出演した製品のCMは、現在18。今後さらに増えるものと思われ、副収入もかなりあるものと思われる。中でも、ワガママだがハンサムで、女子学生の人気が高いユノ役のチョン・イルは、無名から一転して若者たちのスターに浮び上がった。
『思いっきりハイキック!』はMBCにも“孝行”した。『思いっきりハイキック!』の放送時間はプライムタイムの午後8時台。以前は、シットコム放送時間は午後6~7時台だったが、MBCは『思いっきりハイキック!』の可能性を信じて、初めて連続ドラマ枠である8時台にシットコムを放送する“冒険”を強行した。『思いっきりハイキック!』の視聴率が17~20%台を維持しながら、ライバル局に比べて遅れをとっていた“ニュース枠”の視聴率もアップするなど、平日のゴールデンタイムのチャンネル固定効果を収めたというのが、MBCの分析だ。
一方、最近ストーリーをミステリーっぽく進めていきながら、ユミ(パク・ミニョン)の降板を暗示する内容でファンをもどかしくさせた『思いっきりハイキック!』制作陣は、最終回の結末について徹底した保安を維持し、視聴者の関心を一層惹きつけている。『思いっきりハイキック!』の後続には、写真館を背景に繰り広げられる家族シットコム『キムチ チーズ スマイル』が来月23日から放送される予定だ。青春シットコム『ノンストップ』を演出したチョン・ジンスPDがメガホンをとる。
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