【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の韓国人慰安婦被害者、李容洙(
イ・ヨンス)さんが、自身を含む被害者や遺族20人が日本政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟で原告の訴えを却下したソウル中央地裁の判決を不服として控訴することが分かった。李さんが代表を務める「日本軍慰安婦問題ICJ(国際司法裁判所)付託推進委員会」が5日、明らかにした。 同委員会は報道資料で「李さんは日本の戦争犯罪や反人道的犯罪など国際法違反の責任に免罪符を与えたソウル中央地裁の判決に控訴することを決め、控訴審で正義と人権が勝利するだろうと期待を示した」と伝えた。 李さんは慰安婦制度が犯罪であることの認定と真の謝罪、歴史教育など被害者の要求事項について、ICJの司法的判断を仰ぐことを改めて提案したという。 また、慰安婦被害者を支援する韓国団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」はこの日、ソウルの日本大使館前で定例の「水曜集会」を開き、判決を批判した。 正義連のハン・ギョンヒ事務総長は「裁判所は『2015年の韓日合意は被告に対する日本政府の権利救済と見なすことができる』としたが、当時の岸田文雄外相は合意の発表直後に『(日本政府が拠出する)10億円は賠償金ではない』と強調し、日本の国会も傷を癒すための措置だとした」と指摘。慰安婦被害者を支援するため日本の拠出を受けて韓国で発足した「和解・癒やし財団」の財源は人道的支援金だが、支援金ではなく法的責任に基づく賠償金を支給せよというのが原告の請求の趣旨だと説明した。 また、外交的・政治的努力を尽くした末に訴訟を起こすことになったが、裁判所が司法的判断を回避することはそれ自体が法と良心に照らして判決を下すべき裁判官の独立性を放棄したものであり、極端な司法消極主義だとしながら、「実質的正義に背いた」と指摘した。 ソウル中央地裁は先月21日、国家は他国の裁判権に服さないとする国際法上の「主権免除」を理由に、原告の訴えを却下した。同地裁は1月、別の慰安婦被害者による同種の訴訟で、日本の不法行為に主権免除は適用できないとして日本政府に賠償を命じていたが、真逆の判断を示した。
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