(画像提供:wowkorea)
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米国を訪問した韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が21日(現地時間)午後、ホワイトハウスでバイデン米大統領と首脳会談を行っていた。北朝鮮の核問題や新型コロナウイルス対策など、幅広い分野で協議し、両国の強固な同盟関係を確認した。

韓国では今回の米韓首脳会談が、さまざまな角度からリアルタイムで報じられた。今年1月に大統領に就任したバイデン氏が外国首脳と直接会談したのは、先月に訪米した日本の菅義偉首相に続いてムン大統領が2人目。そのためか、韓国メディア各社は先月に行われた日米首脳会談と比較した記事も掲載している。

韓国の聯合ニュースは、「バイデン・文『クラブケーキ』昼食、日本の菅『ハンバーガー』と対照的」との見出しで記事を出した。米韓首脳会談で両大統領が昼食を共にした際のメニューが「クラブケーキ」だったことを伝えた。クラブケーキはカニ肉などを使った米東部メリーランド州の名物料理。ムン大統領は寿司などシーフードを好むとされ、韓国記事は「クラブケーキが米国の有名料理であることに加え、文大統領の食の好みまで考慮され提供されたことは、米側の誠意の表れではないか」と伝えている。

その上で、「バイデン大統領と菅首相は、ハンバーガーを前に2メートル程度の長テーブルの両端にそれぞれ座り20分間昼食をとったが、菅首相は、ハンバーガーには手を付けなかった」と伝えた。また、日米首脳の昼食の様子を比較しながらムン・バイデン両大統領の親密ぶりを示唆。米韓首脳の昼食時間は「日米首脳会談時よりも17分ほど長かった」とも伝えた。

菅首相がハンバーガーを食べなかったのは、首相自身が「手を付けないくらい話に(夢中に)なっちゃいまして昼食べないでやってました」と記者団に語っていた。また、聯合ニュースは、記事中に「韓米首脳会談と米日首脳会談の比較」と題する表も掲載。米韓首脳会談の全体時間が日米首脳会談よりも約20分長かったことなどを報じた。

また、韓国の経済紙アジア経済は、ホワイトハウスと代表取材団の話として「当時、会談の席では、文大統領とバイデン大統領のみならず、60人に及ぶ出席者がほとんどマスクを着けていなかった。また、両首脳が直接、握手を交わすなど、『社会的距離を置く』防疫措置も特別に適用されていなかった」と伝えた。

その上で、「このような様子は、先月16日に菅首相を迎えた時とは異なる」とした。「当時、バイデン大統領は『二重マスク』をして会談に臨み、挨拶する際も握手の代わりにこぶしを突き合わせた」と伝え、「米国内における防疫の自信の表れと解釈できる」、「新型コロナウイルスの感染拡大により長い間、足踏み状態だった米国の外交が正常に戻りつつあることを示している」と解説している。

大統領に就任したバイデン氏との首脳会談「一番乗り」は菅首相だった。だからこそ米韓首脳会談については、とりわけ色々な韓国メディアも、日米首脳会談に比べ「目立つ要素」を強調して報じたい思いが強い。

韓国が日本と比較したがるのは毎度のことである。111年前から35年間続いた日本の半島統治に対して、独立から75年が過ぎた今までも被害意識から抜けられない韓国社会。日本との比較を通じて、米国が主導する序列で優位を感じたい訳だ。

米韓首脳の親密関係がクローズアップされているが、一方で、米韓首脳会談の直前、ムン大統領も出席してホワイトハウスで行われた行事の演説で、バイデン大統領がムン大統領を「総理(Prime Minister)」と言い間違える一幕もあった。

また、ハリス副大統領がムン大統領と握手を交わした直後、手を拭うような仕草を見せ、その「腹心」が話題にもなっている。また、「クラブケーキ(Crab Cake)」のスラング(俗語)辞書での意味で文大統領に対するバイデン大統領の「腹心」を想像する人々もいる。「友だちぶってる奴」とのことだ。

文大統領の訪米に合わせてバイデン大統領が退役軍人の授章式を開き、写真撮影の時は文大統領を跪かせた理由もバイデン大統領の「腹心」と言われている。その軍人が朝鮮戦争の時、中国との戦闘で大活躍した人だからだ。この授章式の直後、文大統領はバイデン大統領から「放置された」との説も写真と共に韓国で話題になっている。

韓国と米国は「血の同盟」と言われてきた。1950年の朝鮮戦争の時、米軍の犠牲が韓国の共産化を防ぎ、ベトナム戦争の時は、韓国軍の派兵が米軍の犠牲を減らしていた。「大国」中国の台頭は隣国である韓国の経済に大きな影響を与えているが、韓国はその「血の同盟」を忘れてはいけない。日本の終戦処理の最中、公式発表にはなっていなかったが、朝鮮戦争の時、陰で韓国を助けていた日本の貢献や犠牲も忘れてはいけない。

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