330万人の個人情報を流出したフェイスブックを相手に、韓国で集団紛争調停手続き始める(画像提供:wowkorea)
330万人の個人情報を流出したフェイスブックを相手に、韓国で集団紛争調停手続き始める(画像提供:wowkorea)
韓国の個人情報紛争調停委員会(紛争調停委)は8日、フェイスブック(Facebook)を相手取り、会員情報を第三者に提供したことに対する、損害賠償要求などの事件について審議し、集団紛争調停手続きを開始することにした。

 今回の事件は、昨年8月に個人情報保護委員会(個人情報委)が発足後、初の個人情報集団紛争調停事件となる。

 個人情報委は昨年11月に全体会議を開き、この6年間、少なくとも330万人の個人情報を当事者の同意無しに、他の事業者に提供したとして、フェイスブックに対し67億ウォン(約6億4000万円)の課徴金と6600万ウォン(約631万円)の罰金を科した。個人情報保護法違反で科された課徴金の中では最大規模となる。調査過程で嘘の資料や不完全な資料の提出で調査を妨害した容疑を加え、個人情報委はフェイスブックアイルランドと当該業者の個人情報担当理事を刑事告発することにした。

 これに関連して、4月16日にフェイスブック会員89人が、代理人の法務法人「チヒャン」を通じ、紛争調停委員会にフェイスブックを相手取って個人情報集団紛争調停を申請した。個人情報の紛争調停は、個人情報の流出や誤用・乱用などによる被害について、裁判所の訴訟よりも迅速かつ簡単に、当事者間の合意により紛争を解決する制度。50人以上、被害が同じか、または似たような場合は集団紛争調停の手続きをへて行われる。

 彼らはフェイスブックが「フェイスブック会員の友人」の個人情報を同意なしに第三者に提供するなど、個人情報保護関連法に違反したと主張した。フェイスブックに△損害賠償金を支払い、△申請者から個人情報を受け取った第三者が誰なのか、△提供された申請者の個人情報の類型と内訳が何なのかなど、情報の公開を求めた。

 紛争調停委は今月12日から26日までの2週間、当事者の追加申請を受け、事実確認、調停案作成の提示など、集団紛争調停の手続きを本格的に進める予定だ。追加の申請対象は「2018年6月以前から現在まで、フェイスブック会員だった人」となり、紛争調停委の公告文を参考に集団紛争調停申請書などの必要書類を提出する。

 紛争調停委が提示する調停案を当事者全員が受諾すれば「調停が成立」し、個人情報保護法などの関連規定によって裁判上の和解と同じ効力を生じる。しかし、フェイスブックが紛争調停手続きへの参加を拒否したり、当事者が一人でも調停案を拒否すれば「調停不成立」で終結することになる。

 キム・イルファン個人情報紛争調停委員長は「紛争調停制度は情報主体の権利保護のための最小限の公益的役割を果たさなければならない。委員会は今回の集団紛争を円満に解決できるよう努力する」と述べた。
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