キム・ウジュ の最新ニュースまとめ
文大統領は演説の中で、新型コロナウイルス感染症に関連して国内での現況やワクチン接種の見通しなどについて言及。文大統領は「われわれは新型コロナウイルス感染症の危機を、どの先進国よりも安定的に克服できている。ワクチン接種も目標に近づいており、10月には全国民の70%が2回目の接種まで完了する見通しだ」と述べた。
韓国政府はこれまで11月までに国民の70%以上の接種完了を目標に掲げてきており、文大統領の発言を聞く限り、目標が1か月前倒しされたと受け取れる。
韓国は7月以降、感染者が再び急増し、現在は感染の「第4波」の真っただ中にある。ソウルなど首都圏では防疫レベルを最高に引き上げている。しかし、感染の高止まりが続いており、防疫当局の関係者からは「現在実施している防疫措置では、ウイルス拡散の勢いを遮断することは難しいとみている」との声も上がっている。
18日に発表の韓国内の新規感染者数は1805人で、3日ぶりに1800人を上回った。韓国は14~16日が3連休で人の移動も増えたため、連休が明け、今後の感染状況がどのように推移するか注目されている。
そんな中、韓国では現在、頼みの綱であるワクチンの海外からの供給に遅れが生じている。韓国は下半期の主要ワクチンとして米モデルナ社と米ファイザー社が製造したワクチンを使用することにしているが、モデルナ社はこのほど、生産上の問題を理由に、8月中に当初韓国に供給予定だったワクチンの量(850万回分)を半分以下に減らすことを明らかにした。
これに伴い、韓国政府は接種の間隔を延ばすことを決め、16日以降から2回目の接種を受ける人は、間隔をこれまでの3~4週間から、5~6週間に延ばした。
供給の遅延も影響して、韓国におけるワクチン接種完了率は8月15日の演説当日まで19%で、イスラエルや英国、ドイツなど50%を超える国と比べて大きな開きが出ている。
そんな中、光復節の演説で文大統領が打ち出した「10月までに全国民の70%が2回目の接種を完了する」という見通しについて、韓国メディアは実現が極めて難しいとの見方を伝えている。
韓国紙・中央日報は、文大統領が示した見通しについて「バラ色の展望を示した」と伝えた。
同紙の取材に応じたコリョ(高麗)大学クロ(九老)病院感染内科のキム・ウジュ(金宇柱)教授は、韓国政府のワクチン計画について「政府が現況を反映せず、年初に計画した数値にばかりこだわっていることに疑問を感じる」と批判した。
政府はワクチンの接種率目標と共に、11月までに集団免疫獲得することを目標に掲げている。
ワクチン供給遅延の問題を解決するため、保健福祉部(日本の厚生労働省に相当)のカン・ドテ第2次官や大統領府のリュ・グンヒョク社会政策秘書官ら4人で構成された代表団は13日(現地時間)、米国のモデルナ社を訪問。今後の供給計画について協議し、15日帰国した。
韓国政府は17日、協議結果を発表し、モデルナ社が韓国への8~9月のワクチンの供給拡大に最善を尽くすことに加え、9月の供給日程の前倒しにも努力する姿勢を示したことを明らかにした。
韓国の予防医学の専門家からは、ワクチンの供給量が改善されれば、政府が掲げる目標の達成も難しくはないとの見方も出ていた。しかし、17日に発表された協議結果では、具体的な供給量については明らかにされず、依然、文大統領が掲げる目標の達成には懐疑的な見方が広がっている。
韓国内では、訪米した代表団が「モデルナ社が『謝罪の意思』をみせた」と発表した事も話題となった。「本当にモデルナ社が謝罪したならば、なぜ『謝罪した』ではなく『謝罪の意思をみせた』と発表したの?」とのコメントが印象的だった。
「K防疫」を政権の業績であるかのよう宣伝に夢中になり、ワクチン確保に対しては決定的な失策をしてしまった文政権。その対応に文大統領が自ら米国製薬会社のトップに電話をかけるパフォーマンスまで見せていただけに、当時の「これでワクチンを確保した」との宣伝も空しくなったわけだ。疑いを持ち始めた韓国民、そして真実追求に焦る政権の今後にも注目だ。
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