このような中ブラジルは、南米国家で唯一「原子力潜水艦保有国になる」という意志をもって計画を推し進めている。
英国の週間新聞“エコノミスト”によると、ブラジルは2029年までに原子力潜水艦を建造するという目標を立て、行動に着手した。
ブラジルはリオデジャネイロ近郊のイタガイ海軍団地付近で、第1号原子力潜水艦「アルバロ・アルベルト」を設計・建造している。
この計画通りに原子力潜水艦の建造が成功する場合、ブラジルは核兵器を保有していない国のうち初めて原子力潜水艦を保有する国となる。またオーストラリアを抜いて、南半球の国々の中で初の原子力潜水艦の保有国としてその名があがることになる。
ブラジルは1979年に原子力潜水艦の建造計画を立て、原子力潜水艦に搭載する小型原子炉の製作を進めたが、資金力不足などの理由で頓挫(とんざ)していた。
しかし2008年12月にフランスと国防分野の協力協定を結んだことで、原子力潜水艦の建造事業が本格化した。
ただ「ブラジルの原子力潜水艦保有が、国際社会に問題を呼び起こす可能性がある」という見方もある。
これは、原子力潜水艦に用いられるウラン核燃料の採掘・抽出・濃縮過程が、核拡散防止条約(NPT)に違反する可能性があるということだ。
一方、ブラジルの原子力潜水艦保有が「NPT体制にとって脅威とはならない」という分析もある。
これは1991年、隣国のアルゼンチンと結んだ特別両者協定により、ブラジルの核物質は幾度も監視されていることに加え、ブラジルが設計した小型原子炉は核兵器に使用される高濃縮ウランのかわりに兵器転用の可能性のない低濃縮ウランを使用するという理由によるものである。
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