国民の精神健康を害する「コロナブルー」、政府と社会全体で対応すべき=韓国報道(画像提供:wowkorea)
国民の精神健康を害する「コロナブルー」、政府と社会全体で対応すべき=韓国報道(画像提供:wowkorea)
新型コロナ禍が長期化し、「コロナブルー(新型コロナによる憂うつ)」が深刻になっている。健康保険審査評価院によると、病院を訪れたうつ病患者は2021年1月から7月にかけて、月平均約9万9300人で、2020年の年間平均約6万9800人に比べ約2万9500人(42%)も増加した。職場業務と学校授業でリモート(遠隔)の割合が拡大し、ソーシャルディスタンスが続いたため、人々の情緒的な交流が大きく減ったためとみられる。

特に青年層は学業と就職問題で受けるストレスにコロナブルーが重なり、精神的疲弊がつのっている。韓国トラウマストレス学会の2021年6月の調査によると、20代の"自殺を考えた人"の割合は17.5%に達する。韓国大学教育協議会の先月の調査結果を見ると、20代の中でもコロナブルーがもっとも深刻なのが大学生・大学院生のグループだ。この調査に応じた大学生・大学院生のうち、"この1年間に自殺を真剣に考えたことがある"と回答した割合は20.2%にのぼる。

新型コロナウィルスが拡散し、防疫措置が強化される中で、人間関係が疎遠になったり遮断されるのはある程度避けられない。コロナブルー問題は各個人と社会がそれにどう対応するかが問題だ。しかし韓国国民は海外の先進国に比べ、精神的、情緒的症状について医師など専門家のサポートを受けることを拒みがちだ。保健福祉部が2021年末に発表した「精神健康実態調査」の結果によると、うつ病を含む精神障害の診断を受けた人のうち、各種精神健康サービスを利用した割合は生涯で12.1%、過去1年間では7.2%に過ぎなかった。韓国大学教育協議会の調査でも、この1年間で学内の学生相談センターを利用したのは回答者の13.6%のみという。

個人的な対応が難しい状況なら、社会的な対応が重要になる。精神健康サービスのインフラの脆弱(ぜいじゃく)性を考慮し、政府や社会が力を合わせなければならない。政府は防疫や感染患者の治療だけでなく、一般国民の「コロナブルー」にも対応しなければならない。国民にとって身近な地方行政組織の役割はいつにも増して重要になる。学校や宗教界・市民団体も、それぞれの分野で精神健康のサポートができる体制づくりが急務だ。

■自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
●こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
●よりそいホットライン:0120-279-338、岩手県・宮城県・福島県から:0120-279-226
●いのちの電話:0570-783-556
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