韓国政府は新型コロナの拡散により「ワクチンの4次接種」を開始した(画像提供:wowkorea)
韓国政府は新型コロナの拡散により「ワクチンの4次接種」を開始した(画像提供:wowkorea)
韓国では新型コロナウイルスによる新規感染者が連日最多値を更新していることから、政府はワクチンの4次接種カードを切った。しかし接種後もブレークスルー感染(突破感染)などが発生し「ブースター接種(追加接種)無用論」も浮上している。専門家たちは「ワクチンだけでは感染を防ぐことはできない」とし「治療薬の確保を急ぐべきだ」と伝えている。また「治療薬の開発に関する臨床政策も柔軟になるべきだ」と要求している。

キム・ウジュ の最新ニュースまとめ

韓国では今月14日から免疫低下者130万人に対する4次接種が開始された。療養病院・療養施設の入院・入所者とその職員50万人に対しては、3月から4次接種が始まる。

彼らは皆、ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンを接種することになるが、3次接種完了後4か月が経過した時点から接種をする。これは、3次接種後4か月が過ぎると予防効果が低下するためだ。

このような「ワクチン接種の予防効果が数か月で低下する」という事実が世間に知れ渡ったことで、追加接種への不安と抵抗感が国民たちに生じている。国民たちは「いったいいつまで接種しなければならないのか」と懸念を抱いている。

むしろ「繰り返される接種が免疫体系を乱すおそれがある」という主張も出ている。欧州医薬品庁(EMA)のワクチン戦略責任者は先月「4か月ごとに追加接種をするという戦略は、人々の免疫体系に過度な負担を与え、疲労させるおそれがある」と指摘した。

予防接種推進団は、4次接種の効果と安全性への懸念について「現在4次接種をすでに施行している国の事例をみると、重症な副反応や接種による様々な問題点は報告されておらず、安全性の問題も出ていない。一般国民に適用する計画はまだない」と説明した。

コリョ(高麗)大学クロ(九老)病院のキム・ウジュ感染内科教授は「免疫低下者の場合、健康な一般人に比べ抗体価が半分だけ生じるため、3次までが基本接種に該当する。そのため彼らの4次接種は一般国民の3次接種とみるべきだ」とし「一般国民に対する4次接種の可能性は高くないとみている」と語った。

それでも繰り返される追加接種に対し「ワクチン接種をしない」という人も出てきている。専門家たちは「ワクチンだけでは拡散を防ぐことはできない」とし「治療薬の確保に重きを置くべきだ」と語っている。

イファ(梨花)女子大学 (モクトン)木洞病院のチョン・ウンミ呼吸器内科教授は「ワクチンは重症化率を下げるだけで、感染を遮断することはできない状況となった」とし「治療薬を早く確保して、患者が発生してもすぐに治療薬を投与するようにするべきだ」と語った。

韓国ではファイザー社の治療薬が導入されたが、併用薬物禁止などにより実際の処方は多くない。このことから「国産治療薬の開発を急ぐべきだ」という声が高まっている。

製薬業界の関係者は「『今のパンデミックを終息されるためには、ワクチンと治療薬がともに必要だ』ということに国民たちも共感している。現在の臨床体系では進行速度を速めることはできないため、より柔軟な臨床政策が必要だ」と語った。

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