ステルスオミクロン株が主流化すればピーク時の感染者数は一日80万人以上の予想 = 韓国(画像提供:wowkorea)
ステルスオミクロン株が主流化すればピーク時の感染者数は一日80万人以上の予想 = 韓国(画像提供:wowkorea)
韓国政府が21日から2週間行うソーシャルディスタンスは、プライベートな集まりの人数を6人から8人とする防疫緩和の方向で進んでいる。しかし、これまでのオミクロン株より感染力が約30%高いステルスオミクロン(BA.2)株の割合が今月に入り26%まで上昇し、今後のピークの規模はますます不透明だ。

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 ステルスオミクロン株が今月中に主流化する場合にその感染力を勘案すれば、ピークの規模は、一日最大で80万人に達する可能性もある。死亡者をオミクロン株の致死率(0.09%)で推算した場合、一日約720人に上る可能性がある。また、ワクチン未接種群で、すでに「3人に1人」がコロナ感染・完治者である0歳から9歳の乳幼児と小児ではさらなる感染拡大の可能性もある。

ステルスオミクロン株が感染拡大傾向…検出率26%超え

 20日、中央防疫対策本部によると、新型コロナウイルスの新規感染者は33万4708人、累計感染者は937万3646人となっている(20日午前0時基準)。「週末効果」によって検査件数が58万4554件(陽性率57.3%)と、平日に比べて40%ほど減少し、感染者数も減ったものと分析される。

 韓国政府は、ソーシャルディスタンスを緩和し、プライベートな集まりの人数を2人増やしたにもかかわらず、23日から感染者は減少傾向に向かうとの見通しを示したが、感染力が30%強いステルスオミクロン株の感染拡大がピークの予測を困難にする要素として急浮上している。

 保健福祉部(日本の厚生労働省に相当)疾病管理庁によると、ステルスオミクロン株の国内検出率は、2月の3週間4.9%から3月は2週間で26.3%と急増している。また、海外流入によるものは、同期間33.4%(12.3%→45.7%)と増加している。現在の傾向が続けば、今月中にステルスオミクロン株が主流化する可能性が高い。

 これまで防疫当局は、ステルスオミクロン株について、感染力はこれまでのオミクロン株よりやや高いが、重症化率や致死率には差はないとしてきた。今月7日、チョン・ウンギョン疾病管理庁長は、定例会見で「ステルスオミクロン株が約30%程度と感染力が高い可能性もある。現在、複数の国で評価を進めた結果、臨床的な重症度の差は(これまでのオミクロンと比較すると)それほど大きくない」と述べた。

 一部では、ステルスオミクロン株がソウルのような人口密度が高い地域と乳幼児および小児など、集団生活をする低年齢層でさらに感染拡大する可能性があるという懸念が出ている。実際、ソウルの20日の累計感染者は204万2110人で、全市民950万9458人(昨年末基準)の21.5%に達している。またワクチン未接種群である0歳から9歳は、362万4712人のうち115万8968人の感染が確認され、累計感染率32%で3人に1人の割合に達している。これは10歳以上の感染率17.2%(4769万2677人のうち821万4678人が感染)の2倍に近い水準だ。

 韓国政府は、5歳から11歳の小児について、高リスク群を中心に31日からワクチン接種を開始する予定だ。しかし、1回目と2回目接種の間隔が8週である点を勘案すれば、5月までに予防効果を期待することは難しい。コリョ(高麗)大学クロ(九老)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「韓国では、ピークの予測において不確定要素となっているステルスオミクロン株の検出率が26%となっており、西ヨーロッパではステルスオミクロン株により感染者が再び増加し、米国でも再び増加する可能性がある。中国もステルスオミクロン株の影響で感染が増加しており、ゼロコロナができない状態が続いているが、韓国の場合4月から5月に減少しても、再び中国の影響を受ける可能性がある」と述べた。
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