ソーシャルディスタンスの不安要素であるXL系統の影響は低い見込み = 韓国(画像提供:wowkorea)
ソーシャルディスタンスの不安要素であるXL系統の影響は低い見込み = 韓国(画像提供:wowkorea)
「ソーシャルディスタンス」解除の最後の不確定要素だったオミクロン株(BA1)、ステルスオミクロン株(BA2)の組換え体(XL系統)の影響は少なそうだ。全世界の感染者も3月中旬以降、下落傾向が続いている。ただ、BA3、BA4など、オミクロン株の下位系統の組換え体が相次いで発生し、米国の一部地域では感染者数がピークに達した後、リバウンド傾向にあり、専門家は感染症対策について最後まで気を緩めてはならないと述べている。

キム・ウジュ の最新ニュースまとめ

 18日、中央防疫対策本部によると、新型コロナウイルスの新規感染者は、4万7743人(18日午前0時時点)となっている。新規感染者が5万人を下回ったのは、2月9日(4万9546人)以来、68日ぶりだ。週末を迎え、病院、医院の休診により迅速抗原検査が大幅に減少した影響が大きいとみられる。しかし、わずか1か月前の3月17日に感染が確認された人が約62万人もいたことを考慮すれば、減少傾向は明らかであるという分析だ。

 ちょうどこの日からソーシャルディスタンスが解除され、感染症対策に対する緊張感は急激に低下している。特に先週、国内で初めて確認されたXL系統の影響は、まだ微々たるものとみられる。XAからXSなど、17のオミクロン株の組換え体は、最近、英国、台湾、タイ、日本などで相次いで確認されているが、全体的に大きな脅威にはならないという評価が出ている。疾病管理本部も「警戒は必要だが、過度な心配はしなくてもよい。変異株と言っても主流化せず自然消滅する場合も多い」と説明した。

 アワーワールドインデータによると、今年1月18日、全世界の1日の新規感染者は約376万人でピークに達した。以後、減少傾向にあったが、先月16日、約222万人とリバウンドしている。今月初めからオミクロン株の組換え体などが各地で報告されたが、15日現在、新規感染者数は約72万人に止まっている。

 イファ(梨花)大学モクドン(木洞)病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「世界的に多くの人が感染したため、当分の間、感染者数はさらに減少するだろう。オミクロン株の毒性も弱いため、組換え体や下位系統の変異株が出たとしても、大きな問題にはならないだろう」との見通しを示した。

 ただ、米国では今月初めから北東部を中心に感染者が再び増加するなど、地域ごとに相異なる状況にある。さらにBA4、BA5など、オミクロン株の下位系統も相次いで発生している。現在、韓国での検出率は85.2%で、流行株であるBA2は、BA1(これまでのオミクロン株)より伝播力が30%ほど高いことが判明している。

 コリョ(高麗)大学感染内科のキム・ウジュ教授は「米ニューヨーク州は、オミクロン株の下位系統による患者が増加傾向にあるものとみられる。パンデミックはまだ終わっていない。疾病管理本部は、遺伝子解析技術(全ゲノムシーケンシング)を通じて、新たに発生する変異株の分析に集中する必要がある」と述べた。
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