「いつ破たんしてもおかしくない」…3大悪材料「パーフェクトストーム」に企業が戦々恐々=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「いつ破たんしてもおかしくない」…3大悪材料「パーフェクトストーム」に企業が戦々恐々=韓国報道(画像提供:wowkorea)
自動車部品を生産するA社は原材料・部品素材価格と輸送費上昇の影響をもろに受け、原価を製品価格に転嫁することも難しい状況に陥(おちい)っている。今年第1四半期の営業利益は前年同期に比べ21.1%減となり、収益性が大きく悪化した。

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中小特殊鋼メーカーのB社は最近、事業計画を全面修正した。 原材料価格の上昇に耐えるために人材採用を中止した上、金利上昇のために資金調達にも苦労しているためだ。B社の代表は、「原材料確保のために資金を集めなければならないが、高まる融資利息など、さまざまな困難に直面している」と吐露した。

韓国企業が「パーフェクトストーム」(複数の厄災が同時に起こり、破滅的な事態に至ること)に見舞われ、最大の試練に直面している。ウクライナ戦争や原材料価格の高騰、新型コロナウィルスによる中国各都市のロックダウンや供給網の停滞に続き、金利上昇まで重なり、韓国経済に3高(高物価・高金利・ウォン高)の危機が広がって、企業各社の経営環境に暗雲が立ち込めている。今年下半期の景気低迷の中で物価が上がるいわゆるスタグフレーションに備え、企業が2021年末に立てた経営・投資計画を見直したり、コンティンジェンシープラン(非常時に備えた対策)を発動するなど、各社に緊張が走っている。

業界によると5月1日、好調だった半導体業界まで不確実性の中で非常事態に陥った。需要の鈍化により業績が悪化すると見込む市場の見方が大きくなっているためだ。業界関係者は、「今年下半期のメモリー半導体価格は従来の予想値を下回るだろう」と語り、「マクロ問題による需要の鈍化により、サムスン電子など半導体企業の成長速度は鈍くなる見込み」と語った。

ある大企業の役員は「サムスン、SK、ヒョンデ(現代)自動車、LGなど主要企業までも経営および投資計画を見直す一方、プランBなどコンティンジェンシープランの発動を考え始めている」と述べた。

今後の展望はさらに暗い。各企業は第1四半期までは原材料価格の上昇が吸収できたが、現在は限界の状況まできているというのが専門家たちの観測だ。それでも大企業は事情がまだましで、中小や中堅企業はいつ破綻してもおかしくないという懸念さえ出ている。全国経済人連合会のイ・サンホ経済政策チーム長は「インフレに加え、為替レートまで重くのしかかり、今年の下半期の企業は相当厳しい環境に置かれるだろう」とし、「ウォン高が進めば原価上昇は避けられず、これは物価にも影響を及ぼす。金利も企業の採算性を圧迫するだろう」と述べた。

専門家らは、政府の妙手が必要な時期だと口をそろえている。ヨンセ(延世)大学経済学部のソン・テユン教授は、「政府は流動性を回収し、物価の上昇を抑えて企業負担を減らす策を練るべきだ」と述べた。セジョン(世宗)大学経営学部のファン・ヨンシク教授は、「法人税の引き下げや税制条件の緩和など、政府が企業活動を後押しする環境づくりも必要だ」と語り、「規制打破とともに、投資を誘発するためのインセンティブなども必要な時期だ」と述べた。
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