イ・ジェヨン の最新ニュースまとめ
2019年初めにTSMCのグローバル市場の占有率は48%で、サムスン電子は19%だった。ところが1年後となる2020年初めにTSMCが市場占有率52%に増えたのに比べ、サムスン電子は19%にとどまった。2021年第2四半期にはTSMCの占有率が52.9%に増えたのに反し、サムスン電子は占有率が17.3%に減った。2021年第3四半期にはTSMCが53.1%、サムスン電子が17.1%と格差はさらに広がった。
2022年の場合、TSMCが56%にまで市場占有率を拡大し、サムスン電子は16%に縮小すると予想されており、格差はさらに深刻化するものとみられる。一言で言えば、サムスン電子は2030年に世界1位になるどころか、今の2位の座ですら維持すると断言できないくらいに不安な様子なのだ。
2019年以降にサムスン電子の市場占有率が下落傾向に入った決定的な原因は、2019年から稼働した超精密7nm(ナノメートル、7nm=10億分の7メートル)プロセスと、それ以降の5nmプロセス、4nmプロセスでの収率が非常に低く表れたからだ。収率は、生産品全体の中で良品が占める割合だ。例えば収率70%なら、良品が70%で不良品が30%だということになる。
7nmプロセスでTSMCに圧倒されたサムスン電子は、2020年から稼働を始めた5nmプロセスでの逆転を狙ったが、再びTSMCにKO負けした。5nmプロセスの収率において、サムスン電子が50%レベルにとどまっているのに対して、TSMCは80~90%以上の卓越した収率を見せているのだ。4nmプロセスの収率もサムスン電子が30~35%の低いレベルなのに対して、TSMCは70%レベルの収率を見せている。2022年に稼働予定の3nmプロセスの場合でも、サムスン電子の収率は非常に低い(20%以下?)と予想されている状況だ。
2019年から始まったこのようなサムスン電子の収率暴落現象によって、主要顧客(インテル、アップル、クアルコム、NVIDIAなど)はサムスン電子が作った半導体に対して品質の面で疑いを抱き始めた。そしてこのような疑いは顧客離れを招き、それによって市場占有率はだんだんと下落傾向を見せたのだ。
実際に、サムスン電子のファウンドリー占有率17.1%(2021年第3四半期現在)だというのもサムスン電子の自主発注分を含む数値で、自主発注分を除くと、実質的な占有率は10%にも満たないレベルだと推測される。
2018年までだけでも、台湾のTSMCを猛追撃していたサムスン電子が、どうして2019年を境に収率が暴落し、困難を経験しているのだろうか。2019年にサムスン電子に何があったのだろうか?サムスン電子の収率暴落を招いた原因は、EUV(極端紫外線)プロセス適用の失敗などいくつか推測できる。そこで明らかなのは、2019年から始まった日本の韓国向け「高純度フッ化水素」輸出審査強化措置が、サムスン電子の収率暴落に少なからず影響を及ぼしたという点だ。
日本政府は2019年7月から、半導体およびディスプレイ生産に投入されるコア素材である高純度フッ化水素、フォトレジスト、フッ化ポリイミドに対する韓国向け輸出審査を強化した。これにより、韓国の企業は大きな混乱に陥り、事態の深刻性を誰よりもよく分かっているサムスン電子の総帥(3代目のイ・ジェヨン氏、李在鎔)は自ら日本に飛んでいき、素材確保のために東奔西走した。
ムン・ジェイン(文在寅)政権は企業のこのような困難を解決してくれるどころか、むしろ「二度と日本に負けない」というように反日扇動に出た。そしてこのような反日扇動の一環として該当の素材の国産化を急いで推進した。
日本が韓国向け輸出審査を強化した3つの品目のうち、半導体関連のコア素材は高純度フッ化水素とフォトレジストだ。そのうち、フォトレジストは文在寅政権の国産化(韓国産)が促されたにも関わらず、2021年の日本産輸入額が3億6723万ドル(輸入量:954t)で、2019年の日本産輸入額2億6842ドル(861t)に比べて37%増加し、対日依存度がさらに深刻化した。
(つづく)
※この記事は韓国の保守論客ファンドビルダー氏の寄稿文を日本語に翻訳したものです。翻訳の正確さに対する責任は当社にあります。
※ファンドビルダー氏:ソウル出身。高麗大学卒。韓国人が幼い頃から学び、聞き、見てきた日本関連情報の大部分が歪曲(わいきょく)、誇張、捏造(ねつぞう)などで汚染された状態であることを残念に思い、真実を知らせる趣旨でコラムを書いている。慰安婦、徴用、外交・安保、経済など様々な分野を扱う。
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