ポン・ジュノ の最新ニュースまとめ
台風11号は6日未明に南東部のキョンサンナムド(慶尚南道)・コジェ(巨済)市付近に上陸。南部のプサン(釜山)を通過して日本海に抜けた。南東部各地で道路の冠水や農地の浸水、停電が多数報告され、南東部のキョンサンプクド(慶尚北道)・ポハン(浦項)市では1時間当たり110ミリを超える雨量が観測された。
今回の台風で、浦項市のマンションの地下駐車場では閉じ込められた7人が死亡した。管理事務所から案内放送で車を移動するよう促され、地下駐車場に降りたところ、近くの川が氾濫したことによる浸水に巻き込まれたとみられている。救助隊が救助を始めた際には、既に水位が数メートルの高さになっていたという。
韓国紙の朝鮮日報は、死亡した7人のうち、最も若かった14歳の少年について報道。母親と最後に交わした言葉は「今まで育ててくれてありがとう」だったと伝えている。同紙によると、息子は管理事務所からの案内放送を受けて地下駐車場に向かう母親が心配になり、一緒についていったという。しかし、数十分後に駐車場が水没。母親は救助されたが、息子は心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認された。同紙は少年が母親思いの優しい子だったことや、サッカーや格闘技が好きだったことを紹介。死を悼む友人らの話も伝えた。
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は7日、現場を視察。犠牲者を悼み、被災者には復旧と支援に最善を尽くすと約束した。また、浦項市とキョンジュ(慶州)市を特別災害地域に指定することを決めた。
中央日報は8日付の社説で、「浦項市のマンション地下駐車場の浸水の悲劇は、洪水対策を全面的に見直す必要性を気づかせた」とし「気候変異の時代には、従来のパターンから逸脱した極端な豪雨に備えなければならない」と指摘。「韓国ではマンションの居住率が60%を超えており、地下駐車場は国民が日常的に出入りする生活空間だ。最も安全でなければならない空間で命を失いかねない」とした。今後の対策として同紙は「行政安全部(部は省に相当)は自治体と共に全国のマンションの管理事務所の災害対応マニュアルを点検し、新たに作成する必要がある。狭い国土の利用効率を極大化するという理由で地下10階にまで駐車場を設けている。国土交通部はこのような現実を考慮し、建築物の設計段階から水難対策に反映しなければならない。雨水と河川の水の流入を防ぐ防水壁の基準を高め、地下に設置する排水ポンプの容量も大幅に増大させる必要がある」と指摘した。
地下の浸水では、先月、韓国の首都圏を中心に降った記録的な豪雨で、ソウル市内の半地下住宅で暮らす3人が犠牲となった。半地下で暮らす人々の様子は、2020年に米アカデミー作品賞を受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」でも描かれたが、韓国メディアは「現実は映画『パラサイト』より過酷だった」(朝鮮日報)として、浸水した住宅から避難できずに死亡した住民たちの悲劇を伝えた。
「パラサイト 半地下の家族」が世界的に話題となった作品だったため、海外メディアは先月の豪雨を「半地下」に焦点を当てて報じた。英国の公共放送BBCは半地下住宅に住んでいた親子と叔母の3人の死を伝える中で「(3人は)『パラサイト 半地下の家族』に登場して有名になった、街の下に位置するアパートの『半地下(banjiha)』に住んでいた」と補足した。また「これまでソウルで洪水の被害を受けてきた『半地下』の住居に対する懸念が高まった」とも報じた。カタールの衛星テレビ局「アル・ジャジーラ」は、半地下の住宅について「ポン・ジュノ監督のオスカー(アカデミー賞)受賞映画『パラサイト』で描かれた狭い地下層」と解説した。
ソウル市には全世帯の5%に当たる約20万戸の地下・半地下住宅が存在する。尹大統領は現場を訪れた際、社会的弱者であるほど、災害時に最も脆弱(ぜいじゃく)となる現実を指摘。「彼らが安全であってこそ、初めて大韓民国が安全になる」と述べた。豪雨被害を受けてソウル市は、地下・半地下に住居を建築することを今後、認可しないことを決め。既存の半地下住宅についても20年かけて無くしていく方針を示している。
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