<W解説>韓国、屋外でのマスク着用義務は全面解除=今後は屋内における措置をいつ解くかが焦点(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国、屋外でのマスク着用義務は全面解除=今後は屋内における措置をいつ解くかが焦点(画像提供:wowkorea)
韓国政府は23日、新型コロナウイルス対策として取られているマスク着用義務について、屋外での着用義務を今日26日から解除すると発表した。ハン・ドクス首相が同日、政府の新型コロナ中央災害安全対策本部会議で明らかにした。一方、屋内でのマスク着用義務は当面維持される。

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 韓国も日本同様、最近コロナの感染状況が落ち着いてきている。25日発表の、前日の韓国内における1日の新規感染者数は2万5792人。日曜日発表の感染者数としては、7月10日の2万383人以来の低水準となった。

 ハン首相は23日、「来週月曜日(26日)から屋外でのマスク着用義務を全面解除する」とした。こうした判断の背景には、感染の主流となっている「BA.5」の流行がピークを過ぎて感染状況が落ち着いた状況にあることに加え、屋外でマスクの着用義務がない国が多いことなどを考慮したものとみられる。

 韓国政府は今年5月に屋外でのマスク着用義務を解除したが、50人以上が集まる屋外での集会への参加時や公演、スポーツ試合の観覧・感染時は引き続き着用を求めてきた。しかし、25日から、屋外については全面解除に踏み切った。だが、疾病管理庁のペク・ギョンラン庁長は「過料を科す強制的措置をなくすということであって、屋外でのマスク着用が必要ないという意味ではない」とし、「状況に応じた個人の自主的な判断が重要になる」と強調した。同庁は屋外であっても、密集になる場面ではマスクを着用するよう呼びかけている。

 街からは今回の政府の決定に歓迎する声も聞かれた一方、再び感染が拡大することに対する恐れや、自身の感染を懸念して、引き続き屋外でもマスクを着用するとの声も聞かれた。5月に着用義務が一部緩和された際も、街では「他人の視線が気になる」、「着けることに慣れてしまった」などといった声が聞かれ、多くの人がマスクを外さなかった。当時とは状況が違うが、今回の屋外での着用全面解除を受けた国民の判断が注目される。

 一方、屋内でのマスク着用義務は当面維持される。政府が慎重になっている背景には、今秋から今冬にかけて、新型コロナとインフルエンザが同時に流行する「ツインデミック」が来る可能性があるからだ。ツインデミックとなれば、診断時に新型コロナとインフルエンザが誤認されて混乱をきたす恐れもある。

 韓国では既にインフルエンザの流行の兆しが見られるという。国家感染症危機対応諮問委員会のチョン・ギソク委員長は、韓国紙・中央日報の取材に「過去2年間、インフルエンザが流行らなかったため、全般的に免疫がない状況だ」と指摘した。また、コリョ(高麗)大学クロ(九老)病院感染症内科のキム・ウジュ(金宇柱)教授は、「『社会的距離の確保』(防疫措置)が解除されてからいくつかのウイルスが増加している」とし、「こうしたウイルスに対してこの数年間は免疫が成熟している状況ではないため、『ツインデミック』を越える『マルチデミック』が来ることも予想される」と警鐘を鳴らした。

 しかし、防疫当局によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、室内のすべての空間でマスクの着用を依然「義務化」しているのは韓国だけという。義務化している他の加盟国でも対象は医療施設や一部の公共交通機関の利用時のみとなっている。

 では、韓国で屋内でもマスク着用義務が解除されるのはいつになるのだろうか。国家感染症危機対応諮問委員会でも、今すぐに解除しても問題ないという意見と、「ツインデミック」の懸念もあることから、冬の状況を見て判断すべきとの意見で二分しているという。

 前出のチョン委員長は国今月13日、MBCのラジオ番組に出演し、屋内でマスクが外せるのは来年の春ごろになるとの見方を示した。チョン委員長は「この間、ヨーロッパで開かれた学会に行ってきたが、呼吸器内科医も室内でマスをしていなかった」とし、「韓国でも外さなければとの考えを持っているが、致死率や重症度など、状況を見ながらいつかは政府に提言することになるだろう」と話した。その時期についてチョン氏は「来年春ごろ」とし「インフルエンザが2年間流行らなかった理由はマスクを着けていたからだ」と指摘。「今冬は少し我慢して、来年春からはみんな一緒に外せることになるだろう」と予想した。

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