文前大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
文前大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権時の2020年に黄海上で起きた北朝鮮軍による韓国人男性公務員の射殺事件を巡り、同事件を監査している監査院が文在寅前大統領に書面調査に応じるよう通知を送ったことが、3日までに分かった。文前政権の与党だった革新系最大野党「共に民主党」は「政治報復」だと強く反発しており、波紋が予想される。 同党の関係者などによると、監査院は事件の事実関係を把握するため文前大統領に電子メールや電話で書面調査に応じるよう求め、調査内容を記した質問紙も送ったとされる。文前大統領側は質問紙の受け取りを拒否し、調査の通知に強い不快感を示したという。 共に民主党の朴省俊(パク・ソンジュン)報道官はこれに関し、「検察と監査院を使った政治報復のターゲットが文前大統領であることが明確になった」と尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権を批判。「尹政権は国民の怒りを覚悟すべきだ」と警告した。 一方、保守系与党「国民の力」は、文前大統領に対する調査は「当然の手続き」だと監査院を擁護している。 同党の梁琴喜(ヤン・グムヒ)首席報道官は「(射殺された)公務員に関する情報が大統領に報告されてから6時間の間、国民を救うための努力をしなかった問題、越北(北朝鮮への亡命)と規定した過程などの責任を調査する中で、大統領の役割についての事実関係を確認することは当然だ」と述べた。 海洋水産部所属の公務員だったこの男性は20年9月、北朝鮮に近い韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となり、翌日に北朝鮮側海域で北朝鮮軍に射殺された。当時の文政権は男性が自らの意思で北朝鮮に渡り、殺害されたと発表した。だが、尹政権発足後の今年6月、国防部と海洋警察庁は男性が越境したと断定できる根拠はないとして事件当時の発表を覆した。
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