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今回、李氏が公開した作品は、瞬間をそのまま収めた写真に”ドローイング”で自分の見解を表現したもので、写真の風景はパリだ。この写真は写真家のウジェーヌ・アジェ(Eugnene Atget,1857~1927)氏が、1922年に撮ったものだ。現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が所蔵している。李氏はアジェ氏の写真をコンピューターでダウンロードして修正、再び画面に手描きして作品に仕上げた。
李氏はイファ(梨花)女子大学で洋画を専攻し、フランス・パリのEFET(Ecolede la Communication Visuelle)で、写真を勉強した。異なる時空間に存在する物と場所が偶然の結合を通じて、予想できなかった調和を発見。これを発展させるために、作業を続けてきた。作品は視覚の流れの中で、解体されていく対象の変化を視覚的に見せている。
今回の展示書評を書いた美術評論家のチョ・ウンジョン(趙恩廷)氏は、「画面の中のパリは、ウジェーヌ・アジェの写真から借りてきた場面だが、明らかに作家の過去の経験が盛り込まれている。子供たちが育ち、その時刻に散歩する私は、別の場所からそこを眺める。画面の中のパリは紅茶に写ったマドレーヌが残した香りのように、記憶の短編を視覚から汲み上げ、完全でない記憶は点と点の間で浮遊する」と評した。
慣れ親しんだ大衆的イメージの上に個人の記憶が重なる時、これは叙事が加えられた固有性を獲得する。誰もが流行歌を聞くが、歌から感じる思い出はすべて違う。以前によく聞いていた昔の歌がラジオで聞こえる時、それがもたらす記憶は私だけのものだ。それでもその歌が伝える感性は同じであるため、私たちはお互いに共感する。展示は11月30日まで。
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