イ・サンミン の最新ニュースまとめ
事故当時、現場周辺はハロウィーン前の週末とあって、若者を中心に多くの人でごった返していた。梨泰院は、かつて米軍の駐屯地があったことから外国の文化が集まりやすい場所。そのため、もともとハロウィーンやクリスマスの時期に多くのイベントが開かれるエリアとしても有名だった。当時、仮装をして梨泰院を訪れていた人も多かった。
また、今年のハロウィーンは3年ぶりに行動制限がない中で迎えるということから、多くの人出が予想されていた。そのため、梨泰院があるソウル市ヨンサン(龍山)区は先月27日には緊急対策会議を開催。防疫推進班や行政支援班、苦情対応班と関連する11の部署長が出席し、部署別の自主計画推進事項などを点検した。パク・ヒヨン区長は「新型コロナウイルスの再拡大や麻薬犯罪・事故が懸念されるだけに、住民の安全確保に万全を期す」と述べていた。
しかし、結果的に2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の惨事となってしまった。梨泰院は路地裏など、狭い道が点在する場所でもあり、事故が起きた通りも幅3~4メートルほどの細い坂道だ。警察や行政の安全対策が十分だったのか疑問の声も出ている。
行政安全部(部は省に相当)のイ・サンミン長官は先月30日、中央災害安全対策本部の緊急会議後に行われた記者会見で、ハロウィーンによる混雑に備え、十分な警備体制がとられていたのかという記者からの質問に対し、「例年と比べ、今年特に人が集まったわけではなかった。警備を通常より多く配置したとしても、解決できる問題ではなかった」と述べた。
この発言には行政安全の責任を担う長官として無責任との批判が上がった。最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は31日の最高委員会議で、「政府当局は(梨泰院の雑踏事故について)『責任はない、できるだけのことはした』という態度で国民を怒らせるのではなく、低姿勢で、国民のために全てのことに責任を持って行うという姿勢で事態の収拾に最善を尽くし集中してほしい」と求めた。
結局、イ長官は1日、「国には国民の安全の責任があるのにも関わらず今回の事故が発生したことについて、国民の安全の責任を負う主務官庁の長官として国民の皆さんに深く謝罪する」と頭を下げ、自身の発言が物議を醸したことについても「大切な家族を失った遺族と国民の心を思いやることができなかった」と「深い遺憾の意」を表明した。
一方、事故の捜査を進めているソウル警察庁は、通りに人々がごった返す中で、一部の人が故意に押した疑いがあるとみて調べている。SNSには事故が起きた路地にいた一部の人が「押せ、押せ」と叫びながら前の人を押したという証言が寄せられている。警察は付近の棒カメラの映像や事故当日の現場の様子を収めた動画を入手し、詳しく調べている。聯合ニュースが法曹界の見解として明らかにしたところによると、仮に、前の人を押したことで人の列が崩れ、人がもつれ合って転倒したとすれば、過失致死または過失致傷の容疑が適用できるという。また、前の人が押した行為そのものが暴行にあたるため、暴行致死または暴行致傷容疑の適用が可能との意見も一部にある。一方、聯合ニュースは「当事者の特定が難しく、特定できたとしても人を押した行為と人の列が崩れた結果の間の因果関係を立証するのは困難との見方もある」とも伝えている。
また、今回の事故は、主催者が存在する特定のイベントに人が集まる中で起きた事故ではないため、責任の所在がどこにあるのかを一層難しくしている。
一方、大統領室の関係者は2日、聯合ニュースの取材に「誰かが責任を取るしかない状況」と話した。また、ハン・ドクス首相も同日、中央災難(災害)安全対策本部の会議で、「政府は調査が終わり次第、相応の責任を厳重に問う」と話した。
こうした中、「共に民主党」のチョン・ジュンホ議員は8日の国会運営委員会で「大統領室、政府、ソウル市、龍山区など、誰も梨泰院の安全管理に関心を向けなかった」と指摘。同党のチェ・ギサン議員は「本当の調査の出発はイ行政安全部長官、ユン・ヒグン警察庁長、ソウル警察庁のキム・グァンホ庁長も当然、先に送り出してから真相調査をすべきだ」と主張した。
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