梨泰院の雑踏事故では、日本人2人を含む158人が死亡した。当時、現場周辺はハロウィーン前の週末とあって、若者を中心に多くの人でごった返していた。現場は幅3~4メートルほどの狭い坂道で、一部の人が転倒した後、次々に折り重なるように倒れる群衆雪崩が起きたものとみられている。
2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の大惨事となり、韓国では依然大きな悲しみに包まれている。そんな中、サッカーのワールドカップが開幕。韓国のサポーター団体「赤い悪魔」は街頭応援を行うため、ソウル市に対し、市内にあるクァンファムン(光化門)広場の使用許可を申請した。光化門広場はソウル市中心部にある広場で、イベントなどが開催されるスポットとして知られる。
しかし、事故から3週間余りしか経っていない中、お祭りムード的な街頭応援を認めることは不適切だとの声も上がっており、市は対応に苦慮している。同市のチョンノ(鍾路)区は現在、提出を受けた街頭応援安全計画書を審議中で、火災予防や事故防止措置、安全管理スタッフの確保と配置、非常時の対応要領などを検討した後、市に結果を報告する。市は今日22日午後に会議を開いて許可の可否を最終決定する方針。
韓国の代表チームの応援団は1995年に結成され、当時の名称は「韓国サポーターズクラブ」だった。その後、インターネット掲示板で名称を公募し、現在の「赤い悪魔」という名称に変更した。街頭応援自体は2002年の日韓共催W杯の時から始まった。2002年大会では韓国代表の赤いユニフォームを着たサポーターたちがソウル市庁前の広場に集結し、熱気に包まれた。
「赤い悪魔」側は18日に声明を発表し、「梨泰院の惨事を追慕する雰囲気を考慮して内部でとても悩んだが、街頭応援のために光化門広場の使用許可申請書を17日にソウル市庁に提出した。韓国サッカーが再び前進することができるよう、『赤い悪魔』が最後まで共にする」とした。
街頭応援の許可が出れば、24日、28日、12月2日に光化門広場で街頭応援を行う計画。「赤い悪魔」側は当日の参加人数について24日と28日が8000人、12月3日が1万人と予測している。聯合ニュースは「前回のW杯ロシア大会では光化門広場とソウル市庁前の広場に警察の推算で約5万5000人が集まったが、今大会は寒い時期の開催のため、街頭応援に集まる人は多くないとみられる」と伝えている。
一方、大韓サッカー協会は梨泰院の雑踏事故を受けて、街頭応援の中止を決めた。同協会は「事故が起きてから1か月も経たない中で街頭応援を行うことは、国民感情に合わないと判断した」としている。
韓国代表は1986年のメキシコ大会から今大会まで10大会連続の出場で、アジア勢では最多を誇る。昨季にイングランド・プレミアリーグでアジア人として初の得点王に輝いたエースFWソン・フンミンや、欧州のビッグリーグでもトップレベルのセンターバックとして注目されるDFキム・ミンジェら、世界を舞台に活躍するトッププレイヤーを擁する。2002年の日韓共催大会以来、12年ぶりの決勝トーナメント進出を狙う。
韓国は、1次リーグH組でウルグアイ、ポルトガル、ガーナと対戦する。初戦のウルグアイ戦は24日午後4時(現地時間)。聯合ニュースは、ソン・フンミンとキム・ミンジェの名を挙げた上で「主力メンバーが普段通りの力を発揮し、他の選手の活躍も加われば、決勝トーナメント進出も不可能ではなさそうだ」と伝えている。
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