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事故は10月29日夜に発生。当時、現場周辺はハロウィーン前の週末とあって、若者を中心に多くの人でごった返していた。梨泰院は、かつて米軍の駐屯地があったことから外国の文化が集まりやすい場所。そのため、もともとハロウィーンやクリスマスの時期に多くのイベントが開かれるエリアとしても有名だった。当時、仮装をして梨泰院を訪れていた人も多かった。
一方、梨泰院は路地裏など、狭い道が点在する場所でもあり、事故が起きた通りも幅3~4メートルほどの細い坂道だ。狭い通りに人があふれる中、一部の人が転倒したのをきっかけに、通りにいた人が次々と折り重なるように倒れる群衆雪崩が起きたとみられている。
この事故で日本人2人を含む158人が死亡した。高校生ら約300人が犠牲となった2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の惨事となった。
今年のハロウィーンは3年ぶりに行動制限がない中で迎えるということから、多くの人出が予想されていた。それにも関わらず、事故当日は機動隊が配置されていなかったことや、事故が起きる前から圧死事故を懸念する通報があったにも関わらず、適切な対応を取らなかったことなど、安全対策が不十分だったと指摘されている。
しかし、李長官は事故後、間もない時期に開かれた記者会見で「例年と比べ、今年特に人が集まったわけではなかった。警備を通常より多く配置したとしても、解決できる問題ではなかった」と釈明。この発言には、行政安全の責任を担う長官として無責任との批判が上がった。
結局、李長官はその後、「国には国民の安全の責任があるのにも関わらず今回の事故が発生したことについて、国民の安全の責任を負う主務官庁の長官として国民の皆さんに深く謝罪する」と頭を下げ、自身の発言が物議を醸したことについても「大切な家族を失った遺族と国民の心を思いやることができなかった」とし、「深い遺憾の意」を表明した。
今回の事故は、主催者が存在する特定のイベントに人が集まる中で起きた事故ではないため、責任の所在がどこにあるのかを一層難しくしている。先月22日に、一部の遺族らが事故後初めて記者会見し、遺族の一人は「国を率いる方々が過ちを認めず、違うものを違うと言わないのが非常に残念だ」と批判。別の遺族は「悲劇の始まりは13万人の人波を管理できなかったこと。市民の安全より、(別の場所で行われていた)デモの管理に没入していた」と指摘した。
最大野党「共に民主党」は先月30日、李長官の解任建議案を国会に提出。「李行政安全部長官は国家の災害及び安全管理業務の総責任者としての義務と任務を放棄し、国民の生命と安全を守れなかったことに対して厳重な責任を負わなければならない」とし、李長官の責任を問うた。
国会は11日、本会議で出席者183人のうち、賛成182人、無効1人で同案を可決した。一方、与党「国民の力」は、李氏の進退問題については、かねてから事故の国政調査が行われた後に議論されるべきと主張。この日の採決も退席した。
同案に法的拘束力はなく、聯合ニュースによると、尹大統領は受け入れない方針。大統領室の高官は聯合の取材に「『共に民主党』主導で推進された解任建議は、事故の真実を究明しようとする政府の努力に反するとした大統領の立場に変わりはない」と話した。
また、同案が国会で可決したことを受け、事故の真相究明のための国政調査特別委員会の委員のうち、与党「国民の力」所属の委員全員が11日、辞職した。同党所属の7人が辞職したため、委員会のメンバーは「共に民主党」所属の委員ら11人となり、今後、調査が滞ることが懸念される。
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