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振り返ってみると、今シーズンはイ・ヨンジに始まり、イ・ヨンジで終わった感がある。すでにバラエティーでも大活躍しているイ・ヨンジの知名度・話題性を制作陣も生かそうとしたのか、彼女にばかりスポットが当たる編集で、放送中は“どうせ優勝はイ・ヨンジ”という言葉が出ていたほどだ。
第3次ミッションの「ゲリラビートサイパー」では、最後までマイクをとることができず、脱落候補になってしまったイ・ヨンジに制作陣が特別措置で機会を与えたことも公平性に欠けると物議に。また、ファイナルラウンドの投票方式が、会場投票はなくなり、メール投票70%とオンライン投票30%になった点も、人気の高いイ・ヨンジに有利に働くよう変更されたのではないかという指摘も挙がった。実際にファイナルラウンドの前、ツイッタートレンドには「イ・ヨンジ投票」がランクインし、各コミュニティでは「番組は見なくてもイ・ヨンジに投票はする」というコメントが相次いでいたとか。
結局、ファイナルラウンドには4人が進出し、2つのラウンドでバトルが展開されたが、第1ラウンドから1位はイ・ヨンジだった。このときのイ・ヨンジの驚いた表情が印象的だった。以下、2位はホ・ソンヒョン、3位はDON MALIK、4位はBlase。
そして、第2ラウンドを終え、最終発表では3位と4位が入れ替わり、4位はDON MALIK、3位はBlaseとなったが、上位2人はそのまま。驚いたのが、その得票金額の差でイ・ヨンジは4837万ウォン、ホ・ソンヒョンは2362万ウォン。つまり、ダブルスコア以上の大差で、イ・ヨンジの圧倒的な勝利だった。
そのため、実力ではなく、ただの人気投票ではないか、と言われているのだが、裏を返すと、イ・ヨンジ以外にスター性のある注目すべきラッパーが少なかったということだ。番組内で発表された数々の曲の音源も、これまでのシーズンであれば各種音源チャートを賑わしていたが、今シーズンはそのような現象が起きていないのがその証拠だ。
さらに、イ・ヨンジびいきの番組演出という指摘があったことは先ほど述べたが、そんな見せ方に視聴者離れが起こったのか、初回視聴率は1.2%とまずまずのスタートを切ったのに、第5話で0.6%まで落ち、その後も0%台で推移し、最終回は0.8%(ニールセンコリア調べ、全国基準)で終わったのだ。途中で、ソウル・イテウォン(梨泰院)事故、サッカーワールドカップ(W杯)などの影響もあったにせよ、最終回だけみるとシーズン9は2.1%、シーズン10は1.9%で締めくくっているのと比較すると、心もとない結果である。
今シーズンは、フィーチャリングゲストとして第9話のセミファイナルに、YGエンターテインメントとの専属契約が終了したBOBBY(iKON)、DAWN(イドン)と破局したヒョナなど話題のアーティストが出演し、ステージを彩る見どころなどもあったのだが…。
ともかく、批判的な声も上がってはいるものの、それも世間の関心が高いという証拠であり、女性初の快挙を成し遂げたイ・ヨンジが今後の活動で、これらの雑音をはねのけてくれることを期待したい。
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