キム・ゴンヒ の最新ニュースまとめ
尹大統領は15日(現地時間)、キム・ゴンヒ(金建希)夫人とともに、UAEに派遣されている「アーク部隊」を訪問した。同部隊は陸軍特殊戦司令部の特殊戦・高空・対テロチームと海軍特殊戦戦団(UDT/SEAL)の隊員が属する。UAEからの要請を受け、軍事協力の位置づけで2011年から派遣され、活動を行っている。ちなみに「アーク」はアラビア語で「兄弟」を意味する。
砂漠迷彩服に身をまとった尹大統領は、隊員に向け「兄弟の国であるUAEの安保はまさに韓国の安保。皆さんが国から命令されて来たここは、他国UAEではなく、まさに皆さんの祖国だ」と述べた。隊員を激励する中で尹大統領は「UAEの敵、最大の脅威はイランで、われわれの敵は北(朝鮮)」とも述べ、韓国とUAEはよく似た立場にあると語った。
この発言に「UAEとイランの両国関係について、当時者国ではない韓国首脳が非外交的な言葉で介入した」(韓国紙・ハンギョレ新聞社説)などと批判が相次いだ。韓国とイランの関係に不要な誤解や悪影響をもたらしかねないとの指摘も出ている。
イラン側は即座に反応し、国営イラン通信によると、イラン外務省の報道官は韓国政府の最近のスタンス、特にイランとUAEの関係に対する外交的に不適切な韓国大統領の発言を深刻に注視しているとし、韓国政府に説明を求めた。
韓国の最大野党「共に民主党」は「今年初の外遊を行っている尹大統領が、外交的に非常に不適切な発言によって、またしても『外遊リスク』をあらわにした」と批判した。
尹大統領の海外訪問中の発言をめぐっては、昨年9月、米ニューヨークでの国際会議の終了後、退席する際に暴言を発したと韓国メディアに指摘されたことがある。一部メディアは、尹大統領が会場から立ち去る際、自身を取り囲む側近らに「くそ野郎らが議会で承認しなければバイデン(米大統領)はメンツ丸つぶれだな」と発言したと報じた。発言中の「くそ野郎」は米議員を指すと報じられ、「共に民主党」などは当時「国の品格が崩れた」などと尹大統領を強く批判した。一方、韓国大統領室は発言について、バイデン氏や米議会のことを言ったものではないと否定し、「嘘で同盟国を仲たがいさせることこそ国益を自ら損ねる行為だ」と反論。尹氏大統領の発言は米議会やバイデン氏に言及したものではなく、会合でグローバルファンドに拠出すると米国に約束した1億ドル(約144億円)を、韓国の野党が吹っ飛ばしたら赤っ恥をかくだろうとの趣旨の発言だったと釈明した。
この国際会議は、韓国の放送局ではMBCとKTVが代表取材しており、問題視された発言の場面は、当時、MBCが字幕付き(「くそ野郎」の部分は放送禁止用語のため「××」と表示した)で最初に報じた。インターネット上などでもこの場面の映像が拡散したほか、米国や日本のメディアも追随して伝えた。
韓国外交部は先月19日、MBCを相手取り、訂正報道を求める訴訟を起こした。外交部は、MBCが事実と異なる報道をしたため同盟国内に否定的な世論が広がった上、外交に対する国民の信頼が揺らいだと主張している。
UAEでの尹大統領の発言について韓国外交部は記者団に対し、アーク部隊の将兵を激励するためだったと説明。イランとは1962年の国交樹立以来、友好・協力関係を保ってきたとし、「イランとの継続的な関係発展に対する政府の意思は変わらず強固だ」と強調した。
一方、韓国紙のハンギョレ新聞は「尹大統領の発言は、UAEに駐留するアーク部隊がイランに敵対しているという誤解を生みかねない」と懸念を示した。また、「共に民主党」は「外交舞台での大統領の発言の一つひとつが、大韓民国の国益と国民の安全に直結するということを直視してほしい」と苦言を呈した。
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